秋田県湯沢市における地域活性化

代表教員

内田 彩 (国際観光学部)

活動概要

ゼミ学生3年次17名で、秋田県湯沢市ジオパークを調査し、ジオパーク内の温泉資源を活用した地域活性化の現状を考察したうえで、その課題と可能性について提言する取り組みを行った。春学期の事前学習を経て、9月4日から9月7日にかけて現地調査を実施し、ワークショップの実施、報告書の作成に取り組んだ。

成果

現地調査では、湯沢市より地域の特徴と事業について説明を受けたうえで、湯沢観光ガイドの会、湯沢市ジオパークガイドの会、稲川ガイドの会のご案内で歴史文化資源、自然資源などを見学した。また、小安峡温泉では7つのグループに分かれ、きらめき女子会(女将会)加盟施設である小安峡温泉総合案内所、あぐり館(物産物販売所)、飲食店、宿泊施設において、それぞれの特徴について体験学習をおこなうとともに、小安峡温泉について意見交換を行った。さらに、地域側からSNSを利用した観光発信ついて、都市部の大学生の視点から提案してほしいとの事前課題にこたえ、湯沢観光の魅力について、4グループに分かれてSNSで情報発信を行った。これらの活動を通して、観光資源の特質、地域住民の皆様の思いを学び、地域理解を深めるとともに、湯沢市における観光の課題について考察をした。

 上記の現地調査をふまえて、最終日には、湯沢市、ジオガイド、旅行業者の方々などと、ワークショップを行い、①湯沢市の観光の現状と課題、②若者を対象とした誘致活動について提案を行った。最初に、湯沢市の魅力と課題を考察したうえで、その課題を解決するための提案を行った。次に、若者への情報発信をテーマに、SNSにおける観光資源の魅力発信について発表を行った。学生の発表に際しては、参加者の皆様からご講評をいただき、湯沢市観光・ジオパーク推進課からは、こうした提言を市の観光政策にも生かしていきたいというお言葉をいただき、今後、報告書をまとめるにあたり大きな励みとなった。

 湯沢市では、市の観光のグローバル化の可能性を考察することを目的として、県外の大学生の観光に関連する調査活動の支援事業及び交流事業である「ゆざわジオパークカレッジ事業」を行ってる。本ゼミは今年度で3回目となったが、昨年までは秋田県という遠方ゆえに、学生の経済的負担は大きく、心ならずも参加をあきらめる学生もいた。しかし、今回、交通費・宿泊費について、大学から支援いただくことで学生の負担分も大きく軽減され、多くの学生が参加することができた。地域を学ぶならば、その地域を訪れ、地域住民と対話することは必要不可欠である。地域を訪問した学生は、人々の地域振興における思いを感じるともに、人々との交流により、その地域に愛着を持ち、真剣に地域振興について考え、少しでも地域に貢献したいという思いが醸造される。さらに、地域側でも、学生たちとともに地域の魅力について考えることは、地域の未来を考えるうえで、重要な機会となっていた。

 以上から、本活動を通して、学生たちが地域貢献への理解を深めるとともに、該当地域の地域活性化について、さらなる貢献を志すようになった。今後は、大学での学びの中で、これらの思いをいかし、大学での「知識」を社会に還元できるよう取り組んでいきたいと考えている。