広島県呉市・江田島市における地域活性化支援事業 

代表教員

須賀 忠芳 (国際観光学部)

活動概要

 ゼミ学生3年次14名で、広島県呉市・江田島市について調査し、両地域の活性化のために何が必要かを考察するとともに実現可能な観光施策を提言する取り組みを行った。文献をもとにした事前学習を経て、8月5日から8月8日にかけて現地調査を実施し、その後、調査事業報告会の実施、報告書の作成に取り組んだ。

成果

 現地調査では、呉市について、呉市元市長、観光振興課担当者、地元博物館学芸員の方などから聞き取りを行うとともに、地域市民団体の方のご案内で地域に残る文化資源、まちなみについて見学した。また江田島市では、6次化に取り組む地元農業団体の担当者や、解体を免れた歴史的建造物の保存活用にあたるNPO団体担当者から聞き取りを実施した。また、グループ別の活動も実施し、地域住民や、地区内の観光事業者、他地域からの移住者の方などへの聞き取りも実施し、地域の実状と新たな可能性について理解を深めた。呉市における現地調査は、昨年度に引き続いて実施したことから、江田島市も含めて、地域の方にもさらにご助力いただき円滑に調査を実施することができた。

 現地調査をふまえて、より現実的、かつ実効性のある地域活性化のための観光施策の提言に取り組み、12月上旬には、調査に関する成果と観光施策提言につながる内容を発表する調査発表報告会をオンライン形式で実施する予定である。報告内容は、昨年度の報告をふまえて、より地域の実態に即した、実現可能な施策提言となるように留意したい。当該発表報告会には、当地の地域振興、観光施策に直接関わっていらっしゃる呉市役所・江田島市役所の皆様、また、呉市東京事務所所長、及び、呉市・江田島市の地域住民の方などにもご参加いただく予定である。その際、学生発表について、皆様からご講評をいただき、さらに観光施策提言内容を精査し、年度末に刊行するゼミ論集において、論評し、活動全体についてまとめることとする。

 こうした取り組みは、地方における観光施策支援としての本学の社会貢献活動の一つとして、地元からも高い評価を受け、大きな成果を得るものともなると思われる。また、首都圏出身の者が多い参加学生にとって、地域振興にかける強い思いを有する地域の方々と直に接することは大いに刺激となるもので、地域貢献活動の意義について、強く実感する契機となっている。同時に、現地において学生が提示した意見についても、当地の皆様からも大いに関心を持っていただくことができた。今後も、呉市・江田島市の担当者や地域住民の方と連携しながら、当地の観光施策実現に向けて留意し、貢献していきたいと考える。

 当事業については、交通費・宿泊費等は自己負担で、学生の経済的負担は大きなものがあった。こうした中で、今回、交通費・宿泊費について、補助、支援いただくことで学生の経費負担分も大きく軽減され、学生にとって、より参加しやすく、教育的効果は各段に高まったものと思料される。