非対面健康体操教室による地域高齢者交流促進活動

代表教員

神野 宏司 (ライフデザイン学部)

活動概要

2021年10月から2021年12月に計7回、地域在宅高齢者のグループと連携し13名の高齢者に対して非対面オンラインでの健康体操教室を開催した。実施時には学生がオンライン上で説明および見本を行い、同時に説明する学生以外の学生は参加者の実施の様子を分担して確認し、個別にサポートした。

成果

地域の健康を考える上で近年ソーシャルサポート、ソーシャルネットワークの影響、重要性を指摘する研究が多くみられる。大都市圏に居住する高齢者は地方在住者と比較してソーシャルサポート、ソーシャルネットワーク機能が弱い傾向にあることから孤立化・閉じこもりの危険性が高く、対策の必要性が強く言われている。この都市部における高齢者の孤立化、閉じこもり対策という課題は地域貢献を重要な課題と位置づける本学,本学部の教員ならびに学生にとって貢献できるテーマと考えられる。そのような背景を踏まえ、本活動は健康の維持に関心が集まりやすい体操を高齢者と孫世代に当たる学生とともに実践することを通じてセルフケアの技術の習得を促し、さらに参加者が自身の近隣住民に対して啓発を行うことを通じて地域でのソーシャルサポート、ネットワークの構築を計る意図を有しており、本学のこれまでの実績に新たな貢献が出来るものと考える。特に新型コロナの流行下、対人交流の制限が求められうなかでフレイルの防止にも貢献できると考えられる。

 本活動において教員と学生が各回、レジスタンストレーニング、ストレッチングおよび音楽に合わせながら左右非対称に手足を動かす体操プログラムを指導および習得を補助するプログラムを行った。参加者は平均年齢70歳という高齢者であることを理解し、習得過程での失敗を明るい雰囲気で和ませる学生との交流でこそ行えうる講座の形式であったといえよう。本年度の活動は新型コロナウイルス感染症の流行拡大への対応策としてオンラインを通じた指導を試みた。ただ、一方向での指導では体操の要点が伝わったかを確認できないこと、またソーシャルネットワークを促ために双方向性オンライン形式をとり、一回90分の教室時間中に学生と参加者が小グループに分かれて要点の理解や質問への回答、雑談をするための時間を3-5回設定した。小グループのメンバーは当日冒頭の顔合わせを設定し、その日のグループメンバーを固定することによ一貫性をもたせるように配慮した。また、毎回参加者に対して指導する学生、フォローした学生に対する評価コメントをアンケートフォームに書き込むよう依頼した。その書込を学生と振り返りに活用した。参加者からは「体を動かしたいものの何をどうして良いかわからないという中で良い機会となった」、「学生と会話すると元気が出る」と好評を得た。今回の試みは本学科が赤羽キャンパスから朝霞市在住の高齢者と交流を持てる機会となり、将来的に距離に関係なく実施できる可能性を実感できる機会となった。