大田原市の農業の再活性化による地方創生の取り組み 

代表教員

蜂巣 旭 (経営学部)

活動概要

①地場産の素材をつかった地元小学校での「想い出給食」の実施(給食班)

②農業経営スキルアップ講座の実施(講座班)

③とちぎの食材をいかした東洋大学食プロジェクト(学食班)

④廃校を利用したクリスマスマルシェの企画・運営(マルシェ班)

成果

一連の活動は2・3年生が主体となり4班に分かれて実施した。ゼミ全体で行った企画では4年生や1年生も参加し最大45名で活動した。これらは地元生産者、大田原市(教育委員会、農政課、農業委員会)、栃木県庁農政部、那須農業振興事務所との連携によるものであり、大学生が企画・運営に携わることによって行政間の連携、生産者や農業団体と行政の連携につながり、多くの地域住民が参加するイベントを複数実施することができた。

4つのすべての活動が新聞にて紹介されたが、とくに①や④はテレビでも紹介され、地域の方からの東洋大生の活動に対する期待は益々高まっている。一方で、学生も地域の方々との交流を通じて地域への貢献意欲は高まっており、次年度のゼミ新入生も本活動への興味によりゼミへの参加を希望している者がほとんどである。給食プロジェクトやマルシェでは、食環境科学部の研究室も巻き込み、他学部の学生にも活動は広がるに至った。また、一連の活動は教員の講義科目でも紹介され、ゼミ学生以外の経営学部生にも刺激となっている。

 5月12日に実施した「廃校を迎える小学生に向けた、地域住民と連携した菜の花プロジェクト」では、ゼミ2、3年生の約40名が大型バスで現地に赴き現地の高齢者と一緒に菜の花の種を採取する活動を行った。閉校となる翌年3月には菜の花で河川両岸を埋め尽くし、閉校となる小学校児童を送り出すことができる。本活動により現地小学校とのつながりができ、給食班による翌年1月の給食プロジェクトの実施につながった。菜の花の活動では新たな野菜生産者とのつながりに発展し、その生産者や東洋大・学食プロジェクトで連携した牛肉生産者との連携により、給食の素材提供の協力を得ることもできた。

 また、講座班は市農業委員会の女性委員と連携し、農家に向けたSNS講座を実施した。受講者の和牛生産者は、将棋の王将戦で藤井王将が勝負飯で食した和牛に関して自身のSNSに多数の問い合わせがあり、販売につなげることができた。また、マルシェ班が実施した廃校(旧蜂巣小)を活用したマルシェ「ハチのクリスマス会」では、市役所や農業振興事務所のみならず、上記の農業委員や和牛生産者の協力もあって盛大なイベントとすることができた。クリスマスマルシェは、3学年のゼミ生約45名が大型バスにて前泊で現地に赴き、会場設営や運営に携わった。当日は昨年度の約2倍の425名の来客があり、NHKニュースでも取り上げられた。菜の花プロジェクトやマルシェは、ゼミ全体の活動として大型バスをチャーターしたが、本助成によって、他の活動も含めて出費が甚大な学生の負担を減らすことができた。

 学校給食は、外部が関与しにくい「聖域」のような困難がある。地域に密着した一連の活動が評価されたことで本学と東洋大生への期待が高まり、給食班による地元学校給食への関与が認められたものと考える。