香川県さぬき市の姉妹都市交流再生プロジェクト 

代表教員

田中 雅敏 (法学部)

活動概要

香川県さぬき市で「オーストリア文化祭2023」を2日間かけて実施。1日目はさぬき市の恒例行事である「へんろウォーク」に合わせてスタンプラリーとオーストリア菓子を販売。2日目は「ドイツ語講座とオーストリア菓子調理・試食」を実施。来年度以降の活動の指針になるよう、参加者アンケートも実施した。

成果

①地方自治体は、国際交流にあてられる職員の数が限られており、さぬき市も例外ではない。市民レベルでも、国際交流について関心や意識が高いとはいえず、国際感覚を涵養することは容易なことではない。そこで、本取組では、新しい文化に敏感で、またこれからの社会を担っていく小学生をターゲットにし、国際感覚のつきあげを狙った。本取組は、限られた人員で工夫されているが頭打ちとなっているさぬき市の国際交流を、大学の知をもって、さらに遠隔からサポートするものであり、本学の社会貢献活動に資するものであった。

②当ゼミは、ゼミ生が一年次から平均して3年間ドイツ語科目を履修している。ドイツ語の授業では、言語の学習を通して、その言語圏の文化や人々の営みについても学んでいる。また、当ゼミでは、オーストリアの社会制度や文化を専門的に研究している。「日本を外から見た」自分たちの経験をもとに、さぬき市の小学生親子を対象にドイツ語・オーストリア文化を紹介する講座・実習を提供した。

③さぬき市とその姉妹都市であるアイゼンシュタット市の交流は、現在7年間途絶えているが、それまでは細く長く交流があったため、その歴史を紹介するスタンプラリーを提供した。市民の方からもたくさん話しかけてもらい、今後の交流の可能性の萌芽を感じることができた。ゼミ生たちが自ら「世界から見た日本」「世界の中のオーストリア」を見て感じた経験が、市民のみなさんに伝わったと確信している。なお、さぬき市は過疎化が危ぶまれている地域であり、公共交通網に乏しいため、レンタカーを使って機動的に活動した。

④コロナ禍で現地入りが叶わなかった年度を除き、3回目の現地型活動となった。さぬき市民の姉妹都市への認識や国際交流に対する意識の変化を調査するタイミングであると考える。この点、次年度の課題の主軸として取り組みたい。

⑤当ゼミはさぬき市から「姉妹都市交流アンバサダー」に指定していただいており、今後は、姉妹都市交流の復活(再開)に向けて、本格的に舵を切っていく予定である。