香川県さぬき市の姉妹都市交流再生プロジェクト 

代表教員

田中 雅敏 (学部)

活動概要

香川県さぬき市で「さぬきイースター祭2023」を実施し、当日はさぬき市在住の小学生親子17組の参加があった。

(1)イースターについてのミニレクチャー、(2)イースターエッグ工作、(3)イースターエッグ探しの3部構成とした。

来年度以降の活動の指針になるよう、参加者アンケートも実施した。

成果

①地方自治体は、国際交流にあてられる職員の数が限られており、さぬき市も例外ではない。市民部内の職員が2名国際交流推進にあたっているが、それは人権推進課の担当と兼務である。市民レベルでも、国際交流について関心や意識が高いとはいえず、国際感覚を涵養することは容易なことではない。そこで、本取組では、新しい文化に敏感で、またこれからの社会を担っていく小学生をターゲットにし、若年層からの国際感覚のつきあげを狙った。子供が関心を寄せれば、その親世代も刺激を受けるだろうし、SNSなどのネットワークを介してさぬき市民の意識も変わってくることが期待できる。本取組は、限られた人員で工夫されているが頭打ちとなっているさぬき市の国際交流を、大学の知をもって、さらに遠隔からサポートするものであり、本学の社会貢献活動に資するものであった。

②当ゼミは、ゼミ生が一年次から平均して3年間ドイツ語科目を履修している。ドイツ語の授業では、言語の学習を通して、その言語圏の文化や人々の営みについても学んでいる。また、当ゼミでは、オーストリアの社会制度や文化を専門的に研究している。「日本を外から見た」自分たちの経験をもとに、さぬき市の小学生親子を対象にオーストリアを紹介する講座を行い、イースターエッグを制作・ペイントするイベントを催した。さぬき市の小学生たちには、自分たちの町の姉妹都市のことや遠く離れた欧州の文化について、ヨーロッパを知る大学生が目の前におり、その人たちからレクチャーを受けることで、今後、同じように自分の目で世界を見てみたい、という気持ちになってもらえることを狙った。2019年度地域活性化活動支援事業で助成を受けた「クリスマスリース制作」に参加してくれた小学生が、今回も3年の月日を経てリピーターとして参加してくれ、3年前の活動の萌芽も感じることができた。

③親子イベントの他、さぬき市役所本庁舎ロビーを提供していただき、「さぬき市・アイゼシュタット市交流史」と「オーストリア紹介」のパネル展示を行った。両市の交流は、現在6年間途絶えているが、それまでは細く長く交流があったため、その歴史を紹介した。ゼミ生が現地入りし、さぬき市の空気にも触れながら展示を設営し、イベントの対象者である小学生たちと直に向き合うことができたことが極めて重要である。ゼミ生たちが自ら、「世界から見た日本」「世界の中のオーストリア」を見て感じた経験が、参加者のみなさんに伝わったと確信している。

④2020年度・2021年度は現地入りが叶わず、さぬき市ケーブルテレビのご厚意で当ゼミ制作の情報番組を放送してもらった。今後は現地型の活動を想定しており、今年度がその再スタートの年だったため、今年度に得たノウハウや反省点を活かして次年度も工夫して活動を展開していきたい。