左地 亮子 (社会学部)
「沖縄から平和教育を考える」本活動では、学生が沖縄戦戦死者遺骨収集ボランティア活動に従事するとともに、沖縄の平和教育に関わる様々な施設を訪問し、平和教育に携わる多様な世代の沖縄県民との議論を通して、日本における平和教育の発展に向けた提案を検討する。
①本学の社会貢献活動のさらなる発展に寄与する取組であること
本活動では、学生が沖縄県を訪問し、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏のご指導のもと、糸満市にて沖縄戦戦死者の遺骨収集ボランティア活動に従事した。また遺骨収集ボランティア活動にあわせ、沖縄戦の記憶継承と米軍基地の現状に関わる社会調査活動を、宜野湾市戦跡、沖縄国際大学、沖縄市戦後文化資料展示館 ヒストリート、平和記念資料館・公園、ひめゆり平和祈念資料館、佐喜眞美術館、道の駅かでな、恩納村戦跡にて行った。これらのボランティア活動と社会調査の結果は、活動協力者および調査対象者に論文集の形でお返しし、フィードバックをいただく。以上のように本活動では、平和教育という視点から、沖縄の地域活性化の現状と将来像を調査することで、若者に地域で学ぶ機会を提供すると同時に、地域外部の若い世代の視点を地域に提供する点で、大学の強みを活かした社会貢献活動の発展に寄与する。
②そのために学生参画は不可欠であること
本活動では、地域活性化やSDGsに関心を持つ学生が地域住民とともに地域の課題を考えながら、地域への理解を深めていく。ボランティア活動と現地調査の企画・実行、協力者とのやり取り、報告書作成の全局面において、学生は主体的に活動する。この点において、本活動は学生主体の地域活性化活動という特徴を有し、学生の参画は不可欠である。
③社会貢献活動上、期待できる具体的な効果
観光目的で沖縄を訪問する機会が多い中、沖縄が抱える社会問題や沖縄の地域活性化に向けた文化継承について学ぶ機会は少ない。本活動では現地の人々の協力と知見をいただきながら学生が主体的に学び、地域の課題を丁寧に考え、課題解決に向けた力を養う活動であることから、地域社会で活躍する人材を養成するという大学の社会的役割を果たすことができると考えている。
④昨年度からの改善点
昨年度からの改善点は、実際に遺骨収集ボランティア活動に従事したことである。学生は、真摯に「ガマフヤー」代表の具志堅氏の指導を受けとめ、遺骨収集活動に精力的に従事した。加えて、沖縄国際大学の平和学習ボランティアサークル「スマイルライフ」のメンバーのみなさまと会い、平和教育に関するディスカッションを行った。共通の関心を持つ他大学の学生と交流しながら、学びの機会を得たことも今年度の大きな収穫である。
⑤活動した地域、団体との実績内容
事前学習として、沖縄の平和学習ガイドの仲本和氏に講義を行ってもらった。主要活動地域の宜野湾市、沖縄市、糸満市、嘉手納市、恩納村では、沖縄国際大学平和学習サークル、沖縄市戦後文化資料展示館 ヒストリート(沖縄市役所職員の皆さま)、沖縄県観光ガイドの池間氏、ひめゆり平和祈念資料館職員、佐喜眞美術館館長、嘉手納市観光協会、ガマフヤーの具志堅氏にご協力を仰いだ。この皆さまには、今年度末に成果報告書(卒業論文・ゼミ論文)を送付し、今後継続的に社会貢献活動を勧めていくための助言をいただく予定である。