蜂巣 旭 (経営学部)
行政、団体、個人と連携し、農業から地域活性化を図った。具体的には、①市の女性農業委員との経営スキルアップ講座(SNS)、②那須農業振興事務所・女性農業者団体と連携し廃校で実施したXmasマルシェ、③JAなすのと連携した東洋大学食「那須和牛すき焼き」販売、④前田牧場とのキッズビジネスチャレンジである。
一連の活動により、経営学部学生は、地方、農業と食、子どもたちの教育、社会課題の解決、行政や団体との連携といった、一見ビジネスとは離れた現実の課題に取り組むことで、経営学が企業の問題のみならず、社会課題の解決に有用なツールとなることを実感することができた。また、過去一部の学生が取り組むに過ぎなかった活動が、現在ではゼミ全員でチームに分かれ取り組むに至っている。学生達は、時にはチームを越えて連携し合うことで、ゼミのチームの連携が生産者や団体の新たな連携につながることも多かった。
そして本学に目を向けてみても、JAとのプロジェクトでは本学食環境科学部露久保研究室と連携することになり、キャンパスや学部・学年を越えた社会貢献活動に発展した。こういった取り組みは、担当教員の組織論の講義において「チーム間連携、外部連携、オープンイノベーション」の例として紹介され、食環境科学部・露久保准教授担当科目「フードコーディネート論」でも那須和牛すき焼きの事例が紹介された。そして、経営学部生や食環境科学部生は、それぞれの専門分野の知見が社会貢献につながることを実感するに至った。
文字数の制約があり、上記「活動の概要」では4つの活動しか記載してないが、その他にも、とちぎ農業女子と連携した学食「とちぎの逸品素材を使った東洋大ロコモコ」の販売や、大田原農業体験ツアーの実施、トマト農家の六次化支援、上都賀農業女子の地域農業女子マップ製作や彼女らが助け合うための繁忙期カレンダーの製作にも取り組んできた。
複数のプロジェクトで構成されるため、ゼミ生全員が参加し、地方に足を運ぶ必要があったが、そのうえで本助成は不可欠であった。とくに、Xmasマルシェはゼミ生のほぼ全員である45名程度が参加し現地で約400人の集客を実現した。また、東洋大学食「那須和牛すき焼き」は学生が何度も現地に足を運び、JAとの打ち合わせや生産者インタビューを行って食材や地域の魅力をPRした。それにより、白山・朝霞の両キャンパスにて連日の大行列のうえ、早々に完売に至った。これらの取り組みは、下野新聞紙や日本農業新聞、JA広報誌の記事でも大々的に紹介された。
昨年度は、活動初年度の活動があったり、連携先が多かったりしたため、学生の準備の遅れ、相手先との情報共有の不足などの課題があった。しかし、今年度は昨年度の反省点を当初から学生内で共有し、その反省点を改善するチーム体制を敷いた。そのため、昨年度から継続して実施しているプロジェクトに関しては、相手先の遅れ等はあったものの、学生要因での遅れ等は発生しなかった。