須賀 忠芳 (国際観光学部)
ゼミ活動のサービス・ラーニングの一環として、2025年2月7日から2月9日にかけて、2年次から4年次までのゼミ生25名で参加した。江戸期宿場町の景観を今に伝える、福島県大内宿の雪まつりに、運営スタッフの一員として活動し、事前の準備や当日の運営補助、子どもコーナーの企画・運営などに取り組んだ。
地域振興のあり方について学ぶために、ゼミ活動のサービス・ラーニングの一環として、指導教員(須賀)が引率し、会津・南山通りの江戸期宿場町の景観を今に伝え、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている、大内宿(福島県南会津郡下郷町大内区)で、2025年2月7日から2月9日にかけて開催された「大内宿雪まつり」に、2年次から4年次までのゼミ生25名で参加し、地域イベントの運営補助支援活動に取り組んだ。当ゼミにおける当イベントの運営補助は、2012年度以来、コロナ禍の開催中止時を除いて、継続的に実施している。当イベントは、地元自治体や外部資本等には依存せず、地区内だけで準備、運営し、そこに多くの観光客が訪れることから、準備・運営に支障を来たすことも多かった。そうした中で、町並み保存の中心的な存在として活躍してきた、大内区元区長・吉村徳男氏と指導教員との個人的なつながりもあり、支援の打診を受ける形で、当イベントに関わることとなり、前日の準備設営補助から、当日の運営補助まで、学生らが積極的に支援し、当イベントを成功に導いてきた経緯がある。今回の実施分でも、関係者からは「東洋大の学生の力添えが無ければ運営できない」といったお声をいただいている。こうした取り組みは、過疎地域における観光施策支援として、本学の社会貢献活動の一つとして、地元からも高い評価を受け、大きな信頼を得るものともなった。また、首都圏出身の者が多い参加学生にとって、地域振興にかける強い思いを有する地域の方々と直に接することは大いに刺激となるもので、地域貢献活動の意義について、強く実感する契機となっている。祭りに際して行われる神事にも、地元の方に交じって、当該参加学生の参加をお認めいただき、学生にとっても得難い体験となるとともに、地元からも好評を得る結果となっている。4年次生には、2年次から当該行事に参加したほか、夏の祭礼にも参加していて、4度目の参加となる者もいて、学生活動を通じて、本学と当該地域の強い結びつきを体現するものとなっている。一方で、交通費・宿泊費等は自己負担で、学生の経済的負担は少なくなかった。こうした中で、今回は、本学発着で貸切バスを活用し、バス借り上げに当該経費を充当することで、学生の経費負担分も軽減し、学生にとって、より参加しやすく、教育的効果は各段に高まったものと思料される。あわせて、下郷町大内区との間では、「地域活性化支援活動」に関する相互協力の覚書取り交わしを進めており、当覚書をもとに、当事業について、今後も継続的に活動に取り組んでいきたいと考えている。