アシュリー事件:重度発達障害児に対する成長抑制剤の投与
1.職業
2.業務分類
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
2007年1月、アメリカで当時6歳の重度の発達障害児に対する治療の選択についての衝撃的な報告がされています。これは、新しい生命倫理問題として注目されています。その内容は、「よりよいケアを目指して、両親の同意と倫理委員会の承認のもとに、子宮切除やホルモン投与などの方法を用いて彼女の成長を止めた」というものです。医学雑誌に報告された内容の要旨は以下の通りです。
「重度発達障害の子供のケアは難しくて骨が折れる。神経症と認知症の重度合併障害の歩けない子供にとって、生活に必要なことはすべて介護者によって、だいたいは両親によって供給される。これらの仕事は、子供が青年期や成人に達するにつれて、一層困難になる。多くの両親は、特別な要求をするわが子を過程でケアし続けたいと思っているが、子どもが大きくなるにつれてそれが困難となる。子供がまだ小さいうちに成長を永久に止めることができれば、子供と両親の両方のためになるだろう。なぜなら、こうすることで、家庭でケアし続けるという選択肢が容易になるからである。多量のエストロジンを使った子供の治療が幼児式に着手されるなら、この選択肢が可能になるだろう。多量のエストロジンは、成長を抑え、かつ骨端成長プレートの成長を急速に推し進め、そして、比較的短い治療期間で大きさを永久に固定化してしまう。われわれはひとつの事例報告を提出して、このような介入計画(intervention stragety)の医学的・倫理的考慮について検討する。われわれの提案は、適当なスクリーニングとインフォームド・コンセントを経た後の成長を止める治療は、もし両親がそれを要求するならば、子供のためになる治療的選択肢とすることである。
6.出所
社会福祉法人びわこ学園医療福祉センター野洲、資料:療育会議「老い」について考える