QOLって何?
投稿日: Nov 17, 2017 4:41:2 AM
QOLについて、考えてみましょう。
このブログを読んで下さっているみなさまは、「QOL」と聞いてピンときたでしょうか。
QOLは、私の専門分野である哲学(生命倫理学)のキーワードです。QOLは、頭で理性的に判断できるものとは限りません。もっと感覚的なもの、理性だけでなく感性も働かせながら、自分自身に問いかけていくものです。
ですから、QOLは、それを考えるというよりも、味わう、享受する、あるいはときには楽しむという表現の方がふさわしいでしょう。QOLでは、その味わう対象は、自分の生命や生活、人生そのものです。
分かりやすく表現すれば、QOLは「ときめき」や「ワクワクする感じ」でしょうか。自分は何にときめくのか、人生をどのような状態で過ごしていきたいのか、何をして生きるときが幸せなのか。その人生を生きる本人とっての幸福度、満足度、それがQOL(Quality of Life)です。
QOLのオーソドックスな解釈は、古代ギリシアの哲学者プラトンが、ソクラテスに語らせたつぎの言葉に象徴されています。「大切なのは、ただ生きることではなく、よく生きることである」。その「よさ」が、QOLにあたります。「よさ」は、もちろん人によってことなりますので、その内容は百人百様です。
このホームページでは、在宅ケアの場面におけるQOLを考えていくことを目的としていますが、その際、私たちが非日常的な病院などではなく、家や地域で生きていく「よさ」を、人生の「ときめき」(幸福感、安心感、くつろげる感じ)として捉えてみると、色々な視点から問いを立てることができると思います。
まずは、QOLという専門家以外にはあまりなじみのない概念を知っていただくために、様々な角度からQOLについて考えてみることにしましょう。