在宅ケアに特徴的な意思決定のジレンマ(3)

投稿日: Dec 16, 2015 8:10:50 AM

「単独」、「密室性」

在宅ケアには「単独」、「密室」での医療という側面も否めない。厚生労働省の「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」では、医師の専断を極力防ぐための「手続き的正義」に重点がおかれ、医療チーム内での合議の重要性が強調されている。しかし(原則として)単身で利用者宅へ向かい、個人宅へ訪問するため担当制をとることも多い訪問看護師の場合、患者の自宅という「密室」で、看護師一人が療養者や家族と向き合いながら看護を行なうため、その臨床的判断の「透明性」が担保しにくくなるという問題も考えられる。