一番人気のヘルパーさんってどういう人?

投稿日: Aug 31, 2018 8:19:51 AM

介護事業所のなかには、ヘルパーの指名制を取り入れているところもあります。なかには、あちらこちらのご家庭から引く手あまたという人気の高いヘルパーさんもいらっしゃいます。聞くところによると、最近の一番人気は、整理収納アドバイザーの資格を持つヘルパーさんなのだそうです(うちにも来てほしい!)。


私はこれを、とても興味深いなぁと感じました。訪問してくれた際に、(おそらくオプションで)整理や収納についてのアドバイスをもらえるというのは、なかなか考えつかなかった付加価値です。

しかし、私が興味をひかれたのは、別の観点からです。家庭から、整理収納のアドバイスのニーズが持ち上がるということは、私たち現代人が原始時代から引き継いでいる、人間としての本能と、私たちにとって、アットホームでいること、つまり、自分の家でくつろぐという経験の持つ意味を、とてもよく物語っていると思われるからです。


人間は文明以前の時代、原始人だった太古の昔から、本能的に自分の棲み家(原始人にとってのホーム)を快適に保ちたいと思ってきたそうです。原始時代であれば、棲んでいる家に、腐ったものが置いてあったり、そこが不潔な状態であったりしたら、病気にかかるリスクが高くなってしまいます(人類の長い間の敵は、感染症だったことを思い起こして下さい)。

近年、「片づけ」や「そうじ」、「整理収納」などに関する本が話題になっているのは、現代人にも、その原始時代からの本能が受け継がれていているということの表れだという見方ができないでしょうか。つまり、それは、清潔な棲み家が、自分の生命や健康にとっての「安全」を意味するということを、私たち現代人が本能的に理解できていることを示しているように思われるのです。


自分の住まいを快適にして過ごしたいという気持ちは、この衛生に対する原始人的な本能と、「アットホーム」でいられる、家でくつろぐということが、自分自身に立ち返るための大事な時空間を経験することであるという無意識の感覚との両面から、説明することができる気がします(後者は、いずれ改めて取り上げてみたいと思います)。