在宅ケアに特徴的な意思決定のジレンマ(2)

投稿日: Dec 16, 2015 8:1:16 AM

「治療」や「延命」ではなく「豊かに生き果たすこと」

在宅ケアの最終目標は、必ずしも「延命」や「病気」の「治療」ではないということも、在宅医療にかかわる医療者や家族、そして療養者本人の意思決定に重要な意味をもつ。「畳の上で死にたい」と希望していた療養者が肺炎になったらどうするか。身体を拭いているときに突然呼吸が止まったり、餅をのどに詰まらせたらどうするか。このような場面では「善行」の判断や「無危害原則」の適用に、施設内看護の場合とは異なった要素が入ってくる可能性がある。