在宅医療は家族医療(2)

投稿日: Dec 29, 2018 8:45:24 AM

「在宅医療は家族医療」と言われます。これは在宅医療の大きな特徴です。

医療者と患者本人が向き合い、医療方針についての話し合いを重ねて、合意へと至るというのが、従来の医療におけるインフォームド・コンセントのイメージですが、在宅医療では、必ずしもこの通りではありません。本人だけでなく、家族の気持ちやニーズも含めて在宅医療があると言われており、医療の意思決定に家族の意向が関わってくるのです。

在宅ケアでは、家族の存在(同居であれ、別居であれ)と関与が、倫理問題を構成する重要な要素となっています。

もちろん、介護保険の理念は、自己決定、自分で選ぶ、自分で決めるということです。これを倫理学の言葉で言うと、「自律」になります。ですから、介護保険の理念は「自律の尊重」となり、在宅ケアに関わるスタッフには、「自律尊重の原則」に則って行為するという倫理的責務が生じることになります。なじみのある言葉で表現すれば、当人の意思決定を支援するということです。

けれども、それがとても難しいのが現状です。