在宅医療支援病院、4ケタに

投稿日: Dec 16, 2015 8:18:8 AM

2014年度診療報酬の改定によって、一時の“在宅バブル”が崩壊したと言われる一方で、中小病院が在宅医療に新規参入するケースは着実に増えており、2014年12月時点で、在宅療養支援病院の届け出をしている病院は1040施設となり、ついに4ケタの大台に乗った。患者の住居を中心に、医療・介護サービスを切れ目なく提供する地域包括ケアシステムのなかで、「在宅療養中の患者が急変した際に早目に受け入れ、短い入院期間で治療し、元の療養の場へ戻すことで、在宅生活をできるだけ長く継続させる」という病院の役割が明確化され、それを評価する報酬の改定がなされたことで、高度急性期の患者が集まらず、入院単価が低い病院が、地域包括ケア病棟・病床へ移行し、増収につなげるというケースが増えたためだといわれる。

これらの病院は地元の開業医との競合を避けるために、医師を増やして訪問診療を拡大していくよりも、開業医と連携した訪問看護ステーションを開設し、開業医の依頼で訪問看護を引き受けることを選択することが多いという。訪問看護の拡充を中心として、在宅医療にかかわる病院のすそ野が広がっていることがうかがえる。

(『日経ヘルスケア』日経BP社、2015年1月号、58頁)