座位保持が困難な難病患者の外出に対する疑念
1.職業
訪問看護師
2.業務分類
難病患者のケア
3.施設内看護の年数
5年
4.訪問看護の年数
5年
5.経験内容
人工呼吸器を装着し、座位保持が困難な利用者の外出に不安を感じている
Eさんは60歳男性で、ALSのため気管切開し、人工呼吸器を装着している。体感の姿勢保持力は消失しており座位バランスがとれない。
妻と二人暮らしであるが、妻が働いているため日中は一人である。看護師・ホームヘルパー・リハビリテーションのスタッフが訪問し、在宅でケアをしている。病状や人工呼吸器を使用している状況を考えると、ベッド上での生活が安全であるが、車いすへの移乗やトイレでの排泄はEさんや妻の希望があり、看護師やホームヘルパーがサポートして行なっている。また、病院でもリハビリテーションを希望していることから、看護師が通院時のサポートをしている。
Eさんは「外出したい時にそれができる権利が保障されるべき」と考えており、「希望どおりに行動できることが本人のアイデンティティを支え、生きる気力につながっている」と看護師は考えている。Eさんの外出は主治医・医療関係者の話し合いによってサポートし、安全確保のための工夫や配慮をしている。
しかし、訪問看護師は、人工呼吸器で呼吸管理していて座位保持が困難な現状において、危機回避の観点から、無理をして外出することがいいのかどうか、疑問を抱いている。
6.出所
コミュニティケア、2014年1月、Vol.16,No.1