在宅看取りにおける家族の不安
1.職業
訪問看護師
2.業務分類
在宅でのターミナルケア
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
60代男性は、1年前に胃がん末期で胃全摘施行し、化学療法を受けていた。それから6か月後、がんは肝臓に転移し、副作用により化学療法ができなくなったため、在宅療養となった。ADL(日常生活動作)については、がん転移前はほぼ自立していたが、転移後は急速に悪化した。
患者本人は、在宅での看取りを希望し、家族ともに最期が近いことを感じ取っていた。これを受けて、妻は「家で看取ります。何もわからないのでよろしくお願いします」と看護師に伝えた。しかし、彼女は、夫が食事がとれなくなったことに動揺し、在宅で看取ることができるのか不安を口にした。「どうなるのか、心配です。入院させようかと思ったり、一人だと心細い...」
6.出所
財団法人日本訪問看護振興財団監修、角田直枝編集『訪問看護のための事例と解説から学ぶ在宅終末期ケア』(中央法規)2008年1月、p.72-80