河童の休み岩

皆さんは「侵食」「運搬」「堆積」という言葉を知っていますか?大地は、雨や風、川の流れや海の波などによって常に削られています。これを「侵食」といいます。削られて、大地から離れたレキや砂などの粒子は、水の力や風の力などで運ばれます。これを「運搬」といいます。運ばれた粒子は、水や風の力によって支えられなくなると落ち、たまっていきます。これを「堆積」といいます。堆積した粒子は、あるものはすぐにまた侵食されて流され、あるものはそのまま静かに固まり硬い岩石「堆積岩」になっていきます。この、固まっていくことを「続成作用」といいます。

固まった岩石ですが、その硬さは一様ではありません。固まる前、堆積した当時から硬かった火山岩などは、堆積してから固まった部分よりずっと硬いのです。一方、堆積した当時から柔らかかった軽石などは、固まった後も周囲より柔らかいままです。さて、硬くなった岩石も、地表に現れればまた水や風にさらされ、その力で侵食されます。この時、柔らかい部分はすぐに削られてしまいます。一方、硬い部分はなかなか削られません。すると、柔らかい部分はへこみ、硬い部分は飛び出ることになるのです。ここでみられる突き出たレキは火山岩です。周りを埋めている砂よりも硬かったためそれだけ飛び出しているのです。

さて、ではこのレキ岩はどのようにしてできたのでしょうか?実はこのレキ岩もポイント①と同様、土石流で運ばれた土砂が堆積してできたものと思われます。土石流の強い力は、こんな大きな岩石をも遠くまで運搬することができるのです。


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先ほど、堆積物が続成作用によって堆積岩へ変化することを説明しました。この堆積岩、さらに違った岩石へ変化することがあります。それはいったい何でしょうか?

堆積岩は、地下深くまでもぐると、圧力と地球の持つ熱で変化していきます。これを、続成作用といい、そうして出来た岩石を変成岩といいます。大子の東に位置する阿武隈山地や日立の岩石はこの変成岩からなります。西に位置する八溝山地を構成する岩石は大子周辺の岩石よりも硬く、阿武隈や日立の岩石よりは少し柔らかいのが特徴です。これは、八溝山地の岩石が両者の中間の特徴を持つためです。

さらにもう少し考えてみましょう。地下深くに潜った岩石ですが、地球内部の熱などで溶け、マグマになることがあります。このマグマが再び地上に顔を出し、固まったのが火山岩です。この火山岩も、地表に出ると侵食され、運搬、堆積します。こうして岩石たちは長い長い年月を旅しているのです。