地質観光マップのQRコード 解説ページ一覧袋田の滝②河川の作った芸術‐斜交層理

②河川の作った芸術‐斜交層理

この場所で見られる斜交層理はどのようにしてできてたのでしょうか?

川の水の流れは一定ではありません。水の流れが強くなったとき、流路が変わった時などに一度たまった砂などが削られ、水の流れに沿った溝ができることがあります。その溝は舟のような形で、流れの方向に縦長、横に切った断面はゆるいU字のような形をしています。その後、砂などの粒子が舟の形に添うようにしてたまっていきます。すると下にゆるく曲線を描く地層が出来あがります。その後、また流れが乱れ、先に堆積した砂などが削られ、舟のような形の溝が先ほどとは別のところにできます。その上に砂などがたまると、先にたまった層とは斜交する層が形成します。こうしてできた斜交層理は、層の形が舟に似ているのでトラフ(舟)型斜交層理といいます。

斜交層理は水や風の流れがあるときにしばしば発達します。その形状は流れのメカニズムに応じて様々です。


↓さらに詳しく知りたい方へ

皆さんは河川に二種類のタイプがあるのをご存知でしょうか?一つは蛇行河川、もう一つは網状河川です。 

蛇行河川は、川の流路が大きく蛇行するもので、河川の下流域、河川が発達する土地の傾斜が緩やかな場所で発達します。三日月湖ができるのはこのタイプになります。那珂川や久慈川の下流域は蛇行河川です。ヨーロッパや中国など広く平坦な大地が続く大陸では一般的なタイプです。蛇行河川では水がゆっくり流れるので運搬する力が弱く、大きな粒子は運ぶことはできません。そのため、蛇行河川の堆積物は砂や泥が多くなります。

一方、網状河川は、山間部の急で深い谷を作るような河川が、平地に出てきたところに発達するもので、土地の傾斜が急なところで発達します。流路が一定せず、網目状に水が流れます。静岡県の安倍川が代表的で、扇状地を作ります。網状河川は流れが速く、運搬する力が強いので、大きな粒子を運ぶことができます。そのため、網状河川の堆積物はレキや砂が多くなります。

ところで、山間部の渓流はどうでしょう。そこでは水の流れが非常に強いので、川底がどんどん侵食、深い谷を作っていきます。下の岩盤がむき出し、大きな岩がごつごつした川になります。