奥久慈の温泉の特徴

奥久慈にはいくつかの温泉がありますが、その性質は主に2種類です。一つは、ナトリウム硫酸塩塩化物泉で、肌を滑らかにする効能があるとされています。もうひとつはアルカリ性単純温泉で、肌がツルツルする美肌効果の高い温泉です。

袋田温泉はアルカリ性単純温泉で、pH値9前後、源泉温度30~40℃。神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・うちみ・くじき等に効くとされます。肌はツルツル、体ポカポカの天然温泉で日頃の疲れを癒しませんか?


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奥久慈地方には古くから自然湧出の鉱泉があり、湯治湯として人々に親しまれていました。開湯は平安時代とも言われ、開湯伝説によれば、田んぼの中から温泉が湧出したといいます。そのため、古くは「田毎の湯」という名称でした。昭和に入り、鉱泉「田毎の湯」の近辺を深さ350mほど掘ったところ、45℃の単純泉が湧出、これが袋田温泉になりました。

これらの温泉は、主にポイント①で見た地層と同じ時代にできたレキ岩層から汲み上げています。皆さんは、有名な温泉地としてどのような場所を想像されますか?草津温泉や別府温泉など、有名な温泉地の多くは火山地帯にあります。そこでは、地下水が地下のマグマの熱で温められ温泉になります。

一方、近年東京などの都市部でも温泉開発が行われています。こうしたところでは、地温勾配(地球の持つ熱により地下深くなるほど温度が高くなる。火山などがないところの一般的な地温勾配は3℃/100m前後)を利用して、地下深く(1000m以上)掘って温泉を出しています。

奥久慈は、茨城県内でも特異な地域です。近くに火山がないにもかかわらず地温勾配が5℃/100m以上あるのです。しかし、その原因はいまだはっきりとは分かっていません。

詳しくは大子町出身の地質学者、笠井勝美博士著「茨城の温泉と地質」を御覧ください。