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Post date: Jul 31, 2015 2:10:16 PM
大学院生だった柿岡諒くんを中心として行われたホンモロコとタモロコの形を決めるQTL（量的遺伝形質分析）論文が、とうとうMolecular Ecology誌に掲載されました（祝）。
Kakioka, R., T. Kokita, H. Kumada, K. Watanabe and N. Okuda. In press. Genomic architecture of habitat-related divergence and signature of directional selection in the body shapes of Gnathopogon fishes. Mol. Ecol. DOI: 10.1111/mec.13309. (2015)
まず幾何学的形態計測法によって、タモロコ類に加え、ホンモロコ、三方モロコ、スワモロコなどの形態計測にもとづき、湖沼適応の平行進化パターンを定量化。
そしてタモロコ―ホンモロコのF2家系を使い、RADシーケンス法を用いたQTL分析。小さな効果の多数のQTLによってホンモロコの湖適応形態が方向性淘汰を受けて実現したことが示されました。いくつかの形態にかかわるQTLが一染色体上のある部分に局在するパターンも検出。
日本の非モデル淡水魚の初めての進化ゲノム論文となります。海外で先行するトゲウオやコレゴヌスの湖適応と比較していくことで、魚類の適応進化研究がより幅広く、深くなっていくことと期待します。
現在、我々の研究グループでは、進化ゲノミクス研究を展開させつつありますが、この研究は共著者のお二人のお陰でそれに先行し、キッサキとなって様々な刺激を全体に与えてくれました。また厳しい査読者によって、内容もポリッシュアップされたことと、感謝です。
オープンアクセスではありませんので、ご遠慮なくPDFを請求ください。
関連先行論文（モロコ類のRADシーケンス法による連鎖地図）：
Kakioka, R., T. Kokita, H. Komada, K. Watanabe and N. Okuda. 2013. A RAD-based linkage map and comparative genomics in the gudgeons (genus Gnathopogon, Cyprinidae). BMC Genomics, 14:32. DOI:10.1186/1471-2164-14-32
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