2014-1-18--19 第7回全国タナゴサミットin美浦(霞ヶ浦)参加

Post date: Jan 21, 2014 8:31:01 AM

第7回全国タナゴサミットに参加した.タナゴサミットには2回め(前回は聴衆).

熱い集会だった.

私は基調講演として,「淡水魚の保全と放流〜本当に魚を戻すために〜」と題して,最後の手段+攻めの保全の手法としての「放流をともなう保全策」の基本と手順,注意点などについて話した.基本的に昨年8月末の魚類学会市民公開講座での話と同じもの.魚類学会放流ガイドラインの精神をできるだけわかりやすく提示したつもり.

宮城県の外来魚駆除とゼニタナゴ等の生息地拡大の取り組み(高橋さん),霞ヶ浦を中心とするタナゴ類の現状(諸澤さん,萩原さん,熊谷さん),保全を社会(農村〜都市)の枠組みに位置づけるための,社会学的分析と実践(!)についての大変興味深い話(北島さん),広島のスイゲンゼニタナゴの保全の取り組みとあゆみ(古本さん),...そのほか平安神宮のイチモンジタナゴ,愛媛のヤリタナゴvs.外来アブラボテ,保全のための法律的な枠組みと現状などなど.

福島県の震災後の現状と取組み(稲葉さん)の話は多くの聴衆の胸に届いたようだ.宮城と福島の話は,魚類学雑誌・希少魚シリーズでもあらましを読むことができる.

13時過ぎから18時半ぐらいまで続いたシンポも熱かったが,懇親会,そしてロッジでの宿泊での議論も熱かった.ネット上の苦言や意見表明といったものではない,現場でがんばる人たちのさまざまなレベルでのやりとりには,とても意義深いものを感じた.また,霞ヶ浦の現状について,さまざま教わった.環境復元のシンボルのように有名なアサザとその運動についてのネガティブな側面についてもお聞きした.

翌日の霞ヶ浦の定置網調査へのエクスカーションも大変興味深いもので,馴染み深い琵琶湖の魚たち(ホン*タモロコ,ゼゼラ,スゴモロコ,ヒワラ,ワタカなど)がたくさん,ワカサギやボラに混じって採集され,わずかだったがチャネルキャットフィッシュもいた.それにオオタナゴがたくさん.

会をしきってくれた現地スタッフの皆さん,またタナゴサミットの事務局の皆さんに深謝.