2014-11-11 桂川水系のアユモドキの個体群存続可能性分析論文の出版

Post date: Nov 11, 2014 11:40:45 AM

魚類学雑誌(日本魚類学会刊行の和文誌)に,桂川水系のアユモドキの個体群存続可能性分析を行った論文が掲載されました.

英文要旨はここ.

全文PDFは2年間会員サイトでしか読めませんので,別刷(PDF)を遠慮無く私までメールでご請求ください.

渡辺勝敏・一柳英隆・阿部 司・岩田明久.2014.琵琶湖・淀川水系のアユモドキ個体群の存続可能性分析.魚類学雑誌,61: 69–83.

共著者,そしてたいへん有意義で建設的な意見を多数くれた査読者に深く感謝.

今後のアユモドキ保全の一助になれば幸いです.

要点:近畿地方最後のアユモドキの個体群モニタリングデータを用い,さまざまなPVAアプローチに基づき,この個体群が現状で無視できない絶滅リスクがあることを示した.また感度分析によって,これ以上変動を与えることは致命的であること,初期生育場所は減らしてはダメだけど,大きくしても顕著な改善効果が無いこと,むしろ越冬期を含む秋以降の生残率の改善が大きくリスクを低減することが示された.また初期加入の極端な減少を防ぐことが重要で,現在行われている堰上げや外来種駆除は有効である.