2011年、ベルギー、監督:フィリップ・ウィチュス、ヴァレリー・ベルトー、舞台となる地域:インド
シク教の本山、ハリマンディル・サーヒブ(通称黄金寺院)では、毎日5万から10万人の訪問者たちに無料で食事が振る舞われている。同作は、この膨大な量の食事が用意されていく様子を描いたドキュメンタリーである。ランガルと呼ばれる無料食堂では、性別、年齢、宗教などに関わりなくすべての人が同じ床に座る。食事は、巡礼者や信者、また信者以外の訪問者にも等しく提供される。シク教の平等主義が、こうした食事の場面を通して描き出される。
2002年、イギリス、監督:グリンダ・チャーダ、舞台となる地域:イギリス
ロンドンの敬虔なシク教家庭に生まれたジェスは、サッカーをこよなく愛する活発な少女。映画では、親の勧めに従いシク教徒の男性と婚約し、結婚の準備に余念がない姉と、自らの可能性を追い求めるジェスの姿が対照的に描かれる。保守的な母親の発言、振る舞いや、姉の婚約から結婚までの準備の様子から、シク教徒の生活様式や習俗などを詳しく知ることができる。また、イギリスに同化してゆく移民第二世代、第三世代の若者たちの友人同士でのふるまいと、親世代の前でのふるまいのギャップなども興味深い。監督のグリンダ・チャーダはインド系イギリス人で、主演のパーミンダ・ナーグラはシク教徒だという。