1959年、フランス/イタリア/ブラジル、監督:マルセル・カミュ、舞台となる地域:ブラジル
ギリシャのオルフェウス神話をモチーフにした恋愛悲劇。舞台はブラジル。若い娘ユリディスが謎の男に追われ、主人公オルフェが彼女を匿う。オルフェはユリディスに心奪われるが、オルフェには勝気な婚約者ミラがいた。ユリディスは嫉妬するミラから追い続けられるうちに、謎の男につかまってしまう。オルフェが助けに行くが、時すでに遅く、彼女は殺害される。オルフェはユリディスの遺体を運びながら憑霊集会に赴く。
2019年、イギリス/アメリカ/イタリア/アルゼンチン、監督:フェルナンド・メイレレス、舞台となる地域:イタリア/アルゼンチン
2013年、当時のローマ教皇ベネディクト16世が、1415年のグレゴリウス12世以来、初めて本人の自由意志により教皇職を辞任し、史上初のアメリカ大陸出身教皇としてベルゴリオ枢機卿が新教皇に就任するという事件があった。この歴史的交代劇を、実話をベースにフィクションも交えて描いた映画である。当時のカトリック教会は、神父による児童性的虐待や、内部機密文書漏洩(バチ・リークス)など、その体制を揺るがす様々な問題の渦中にいた。ただし、この映画で保守派のベネディクトと進歩派のベルゴリオという対照的な二人が織りなす対話は、政治的問題よりは彼らの信仰の内面に迫っており、現代における教会や聖職者、宗教のあり方を深く考えさせられるようになっている。