右のリストの下のタブで宗教別に表示することができます。
2000年、日本/韓国、監督:斎藤耕一、舞台となる国:日本、韓国
対立する2つの暴力団にそれぞれ所属する2人のヤクザの妻はともに韓国人。2人の韓国人妻は教会で出会い互いに助け合うことになる。その後、二人の夫は組織を追われ、一人はキリスト教の信仰に目覚め宣教をおこなうようになるが、そこにもう一人のヤクザが立ちはだかった。実話をもとにした本作では、ニューカマーのコミュニティとしての教会や、キリスト教大国としての韓国が垣間見れる。
1991年、韓国、監督:林権澤、舞台となる地域:韓国
朝鮮王朝末期の1860年に興った宗教「東学」の第2代教主崔時亨を主人公とした映画。東学は当時の朝鮮王朝支配による社会を批判し、大衆の支持を受けるが、王朝からの弾圧を受け逃亡生活を続けていた。逃亡しながらも、東学の支持は拡大し、ついに甲午農民戦争が起こる。崔は、武力闘争に反対していたが、大衆の動きは止められなかった。しかし、東学は敗北し、崔は処刑される。信者たちは「開闢(新しい世界の始まり)はいつなのか」と嘆くばかりであった。本作では、日清戦争開戦のきっかけとなった甲午農民戦争を、東学内の葛藤に焦点を当てて描いている。
2013年、韓国、監督:ハン・ジェリム、舞台となる地域:韓国
人の顔を見ることで性格や運勢を見抜くことができる天才観相師のネギョンが主人公。15世紀半ば、朝鮮王朝を揺るがせた王位簒奪のクーデター事件を題材にしている。貧しい生活をおくっていたネギョンであったが、観相師としての評判が宮廷にまで伝わり、要職に抜擢される。反逆を警戒した王は重臣たちの人相をネギョンに判断させるが、それによってネギョンは王朝の覇権争いに巻き込まれていく。
1996年、韓国、監督:イム・グォンテク、舞台となる地域:韓国
韓国の葬儀の習俗と、そこに集う家族が抱える問題を描く韓国映画。ストーリーのみならず、丁寧に再現された葬儀の様子は文化人類学的・民俗学的にも興味深いものとなっている。作品中で描かれるのは、現代韓国でも珍しくなった昔ながらの葬儀であり、死者の死出の旅の準備から納棺、歌手による手向けの歌、埋葬、慰霊儀礼と、その工程は3日間にわたる。
1989年、韓国、監督:ペ・ヨンギョン、舞台となる地域:韓国
韓国では人口の約23パーセントが仏教徒である(2005年)。韓国仏教は禅が中心であり、本作品も禅の思想を背景にしている。厳しい修行を続ける老僧と彼に仕える若い僧、そして老僧が引き取ってきた孤児の3人は、山奥の寺で修行の日々を送っている。妹と盲目の母を故郷に残している若い僧は、家族を捨てたという罪悪感を捨て切れず、老僧に「なぜ人々のために尽くそうとしないのか」と問いかける。こうした問い掛けやそれに続く老僧の応答は、禅の公案の様式をとっているといえる。
2009年、韓国、監督:イ・ヒョンミン 、舞台となる地域:韓国
死んだ恋人に対する恨みの手紙を書いた主人公は、天国への郵便配達人を名乗る男性と出会う。彼はいわば「幽霊」で、死んだ人への思いが強い人だけに見える 存在であった。彼の郵便配達を手伝うことになった主人公は、次第に彼に魅かれていく。フィクションの中で描かれる死者の姿を通して、現代人が死者をどのよ うに考えているのかを垣間見ることが出来る
1989年、韓国、監督:イム・グォンテク、舞台となる地域:韓国
尼僧を主題とした韓国映画。教師と二人で旅行に出かけたことが問題となり、高校を退学させられた主人公は、尼寺に駆け込み修行を開始する。しかし、ある男と出会ったことがきっかけで、山を下り俗世で暮らし始める。看護士として生活していくなかで、さまざまな不幸を経験し、この世の無常を痛感した主人公は再び尼寺へと戻っていくのであった。韓国社会における仏教の役割についても問いかける作品となっている。
ネパールを舞台にした韓国映画。韓国で働いていたネパール人男性ドルジの死から物語は始まる。ドルジが務めていた工場の工場主は兄のチェにドルジの遺骨を 故郷に届けるようにと託す。依頼を果たすためネパールを訪れたチェであったが、遺族に彼の死のことをなかなか打ち明けられないまま、彼らのもとに身を寄せ ることとなる。死に向かい合うネパール人たちの姿と、彼らの生活に根付くチベット仏教の姿を見てとることが出来る
2005年、韓国、監督:シン・ドンイル、舞台となる地域:韓国
信仰をもつ者と持たざる者の交流を描いた韓国の作品。妻と別れワンルームですさんだ生活を送る無職のホジュンは、ある日浴室に閉じ込められ気を失いかける。助けを求める彼の微かな声を聞きつけたのは、宗教の勧誘に来たケサンであった。二人は少しずつ親しくなるが、ケサンが勧誘を目的に近づいてきたのではないかというホジュンの警戒は消えない。しかし、彼との交流を通してホジュンは自らのすさんだ生活を見直していく。
2006年、韓国、監督:ソン・ペソン、舞台となる地域:韓国
自殺を繰り返す元歌手のユジョンと死刑囚ユンスの交流を通して、「罪」や「赦し」といったテーマを描く韓国映画。物語のなかで神父やシスター、牧師がごく自然に登場するシーンには、キリスト教信者が3割を超える韓国の宗教事情がよくあらわれている。