2012年、ルーマニア/フランス/ベルギー、監督:クリスティアン・ムンジウ、舞台となる地域:ルーマニア
2012 年カンヌ映画祭で脚本賞と女優賞を受賞した同映画は、2005 年にルーマニア正教会の修道院でおきた「悪魔憑き事件」に着想を得たもの。宗教の名の下での善意が招いた「犯罪」を題材に、集団ヒステリーやパニックの恐怖、地域や組織の閉鎖性、他者への不寛容や無関心といった問題を掘り下げた同作品は、時代や地域を超えた普遍性を孕んでいる。
2007年、アメリカ/ドイツ/イタリア/フランス/ルーマニア、監督:フランシス・F・コッポラ、舞台となる地域:ルーマニア、スイス
ルーマニア生まれの著名な宗教学者、ミルチャ・エリアーデの小説『若さなき若さ』を原作とした作品。雷に打たれて身体的な若さと驚異的な頭脳を手に入れた言語学者のドミニクと、同じく雷に打たれて前世の言葉を話すようになったヴェロニカ、二人が出会い、恋に落ちる。物語には、エリアーデが学んできた東洋思想(インド哲学等)のモチーフが織り込まれている。