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1983年、アメリカ、監督:バーブラ・ストライサンド、舞台となる地域:ポーランド
20世紀初頭の東欧のユダヤ人コミュニティを舞台とするミュージカル映画。主人公の女性イエントルは、ラビの父の教えによりユダヤ神学の勉強に目覚め、当時は男性しか学ぶことを許されなかったイェシバ(神学校)に男装して入学する。原作はアイザック・B・シンガーの「イエントル」。
2013年、ポーランド/デンマーク、監督:パベウ・パブリコフスキ、舞台となる地域:ポーランド
第二次世界大戦中に孤児となり、修道院で育てられた18歳のアンナは、初請願を前に叔母に会うため初めて外の世界に出る。叔母は、アンナが本当はユダヤ人でイーダという名前であると告げ、両親の墓に参りたいと言うアンナに「戦争で死んだユダヤ人には墓もない」と言い放つ。イーダの両親が住んでいた村を訪ねる旅に出た2人は、ポーランドのユダヤ人が辿った運命、そして「戦争」が自らに残した深い傷と向き合う。中世以来、住民の1割がユダヤ人であったポーランドの地で、人々が経験した戦争体験とは被害と加害、善行と悪行といった二分法では到底割り切れないものであった。 監督のパヴリコフスキもポーランド生まれのユダヤ人だが、14歳で母国を離れ、ポーランドでの撮影はこれが初めて。
2019年、ポーランド・フランス、監督: ヤン・コマサ、舞台となる地域:ポーランド
少年院に服役中のダニエルは、仮釈放中に立ち寄った村で新任の司祭と勘違いされ、まったく訓練を受けていないのに司祭を演じることになる。ダニエルは、村人の悩みに寄り添い、形式よりも人々の心に訴える説教で徐々に信頼を獲得していくことになる。彼は村で過去に起こった事故について知り、その悲しみから人々を癒そうと奔走するが、ダニエルの過去を知っている男が現れ、正体をばらすぞと脅される。しかしダニエルは自らの正体が明かされることを恐れず、とある行動に出る。犯罪者の若者が人々を救う聖職者になるという意外性や、ダニエルが自らの経験を生かして人々の悩みに答える様子が面白い。ポーランドの田舎における、カトリックの司祭のあり方や役割がよくわかる作品。
2011年、ドイツ/ポーランド、監督:アニエスカ・ホランド、舞台となる地域:ポーランド
2011 年の米アカデミー外国語映画賞にノミネートされたドイツ・ポーランドの合作映画。主人公のソハは貧しい下水修理工で、生活のため盗みにも手を染めている。ある日、ナチスによる迫害を逃れ、下水道に隠れようとするユダヤ人に遭遇したソハは、彼らを下水道に住まわせ、食物などを運ぶ代わりに、法外な報酬を受け取る契約を結ぶ。映画では、心弱き「罪びと」であったソハが、やがて命を賭してユダヤ人を守るようになる過程に焦点が当てられる。下水道の暗闇の中に描き出されるユダヤ教の伝統や宗教儀礼なども見所。同映画の監督ホランド氏は父親がユダヤ人で、父方の祖父母はワルシャワ・ゲットーで亡くなった。