2011年、イギリス/ドイツ/カナダ/スイス、監督:デヴィッド・クローネンバーグ、舞台となる地域:スイス
精神分析医ユングと女性患者ザビーナとの男女関係を絡めながら、ユングとフロイトとの対立が描かれる。ユングとフロイトの手紙のやり取りや別れのきっかけとなった出来事等は、史実に基づき構成されている。宗教的象徴をめぐる両者の立場の相違、すなわち超常現象、オカルト的現象をどのような扱うのかという問いに立ち向かったユングと、あくまでも「科学的」研究の立場を堅持しようとしたフロイトの立場の対立は、今なおリアルな問題として存在しているといえる。
2007年、アメリカ/ドイツ/イタリア/フランス/ルーマニア、監督:フランシス・F・コッポラ、舞台となる地域:ルーマニア、スイス
ルーマニア生まれの著名な宗教学者、ミルチャ・エリアーデの小説『若さなき若さ』を原作とした作品。雷に打たれて身体的な若さと驚異的な頭脳を手に入れた言語学者のドミニクと、同じく雷に打たれて前世の言葉を話すようになったヴェロニカ、二人が出会い、恋に落ちる。物語には、エリアーデが学んできた東洋思想(インド哲学等)のモチーフが織り込まれている。
2009年、アメリカ、監督: ロン・ハワード 、舞台となる地域:イタリア、バチカン、スイス
『ダ・ヴィンチ・コード』の主人公でもあるロバート・ラングドンが、核エネルギー以上の力をもつとされる反物質をめぐって引き起こされた殺人事件の謎を解明していく。バチカンでは次の教皇を決めるコンクラーベが開催されていたが、有力候補の枢機卿たちも、この反物質をめぐる陰謀に巻き込まれ次々と殺害されていく。秘密結社やカトリック等の宗教的モチーフをちりばめたエンターテイメント作品である。
【バチカン市国が舞台となっているが、撮影禁止であったため、多くのシーンがローマ(ポポロ広場、アンジェリカ図書館など)で撮影されている。】