ヒンドゥー教

ヒンドゥー教

ガンジー

1982年、イギリス/インド、監督:リチャード・アッテンボロー、舞台となる地域:インドパキスタン、バングラデシュ、イギリス

インド独立の父、ガンジーの半生を描いた作品。南アフリカで弁護士活動をしていたガンジーは差別に遭った。その経験から暴力を一切用いない運動をしようと決意。インドに帰ったガンジーは独立運動を率い成果を挙げていくも、暴力を起こした時点で運動を中止する。インド独立を旗印にそれまで統率がとれていたヒンドゥー教徒とイスラム教徒は次第に分離・対立していく。第2次世界大戦後にインドは独立するも、ガンジーはヒンドゥー至上主義者に暗殺され、その生涯を閉じた。ガンジーの理想と独立を望む人々の思いとの葛藤に注目している。


PK

2014年、インド、監督:ラージクマール・ヒラニ、舞台となる地域:インド

宗教対立が問題となるインドの現状に一石を投じる社会派映画。主人公である宇宙人のPK(酔っ払いの意)が、地球に降り立つ際に無くしてしまった宇宙と交信するための道具を探す姿を通して、社会の矛盾や問題を描き出している。地球人が口にする神という存在に気付いたPKも短期間に様々な宗教の神にすがるが、その過程で神の代理人を自負する人々の独善性や排他性にも気付いていく。監督が「人は宗教や思想によって分断されるべきではない」とその哲学を語っているように、PKが道中あらゆる宗教の寺院や信者のもとを訪れるなかで、人間の信仰の真理に壁はないということを見出す様子がコミカルに描かれる。インドの人々の生活に根差した信仰の様子も知ることができる映画になっている。


ボンベイ

1995年、インド、監督:マニ・ラトナム、舞台となる地域:インド

インド社会におけるヒンドゥーとムスリムの対立というテーマを背景に、一組のカップルの運命を描く。両親の猛反対を押し切って結婚したヒンドゥーの男性とムスリムの女性。ボンベイに暮らす彼らとその家族は、この地で起こった宗教暴動に巻き込まれていく。


マイネーム・イズ・ハーン

2010年、インド、監督:カラン・ジョーハル、舞台となる地域:インドアメリカ

アスペルガー症候群のハーンを主人公にしたインド映画。彼は弟を頼ってアメリカに渡り、そこで知り合ったヒンドゥー教徒の女性と恋に落ちて結婚する。幸せな日々を送っていたが、「9・11」が起こりアメリカ社会はムスリムに対して非常に厳しい眼差しを向けるようになる。ハーンはムスリムの名字であるために、彼と彼の家族にも差別の目が向けられるようになる。ユーモアを交えながらも、宗教や民族の違いがもたらす差別という深い問題を扱っている。


ライフ・オブ・パイ~トラと漂流した227日

2012年、アメリカ、監督:アン・リー、舞台となる地域:インド

インドで動物園を経営していた少年パイの一家は、カナダへ移住を決断する。しかし、船が途中で遭難。16歳の少年パイは、ライフボートでベンガルトラと海をさまようことになる。パイはヒンドゥー教に親しみつつも、カトリックの信者、さらにはムスリムでもあろうとした人物である。彼とトラとの漂流というエピソードの裏には、生と死をめぐるテーマがちりばめられている。