2003年、アフガニスタン/日本/アイルランド、監督:セッディーグ・バルマク、舞台となる地域:アフガニスタン
アフガニスタンで暮らすイスラム教徒の少女マリナは戦争で父を失い働かなければ日々の暮らしもできない。男のふりをして働くも、タリバーンに見つかり、想像もできないほどの重罰を受けることになった。本作ではタリバーン政権が批判的に描かれている。
2001年、イラン/フランス、監督:モフセン・マフマルバフ、舞台となる地域:イラン、アフガニスタン
9.11前に作られたため、それ以前のアフガニスタンの情景を意図せずして映し出している作品。作品中には、アフガニスタンにおけるイスラム教徒の生活や習慣が垣間見える。主人公でアフガン人ジャーナリストであるナファスはカナダで生活をしている。アフガニスタンのカンダハールに住む妹から自殺するとの手紙が来て、急いでアフガニスタンに向かう。タリバーン政権下では、女性の一人旅は困難をきわめる。ナファスは色々な人に助けてもらいながらカンダハールに向かうのであった。
2000年、アメリカ、監督:マーク・フォースター、舞台となる地域:アフガニスタン、アメリカ
1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻前のアフガニスタンを舞台に物語は始まる。主要人物となる2人の少年は、一人がパシュトゥーン人(スンナ派)のアミール、一人がハザラ人(シーア派)のハッサン。2人は仲が良かったが、ある時ハッサンが性的暴行を受けそれをアミールが見て見ぬふりをした。アミールはハッサンを避けるようになり、お互い離散したまま時が経つ。大人になりアメリカで生活をしていたアミールは、ある電話をきっかけにハッサンを探しにアフガニスタンに向かう。そこにはタリバーン政権による残虐な統治があった。イスラム教の理念と現実、民族間の対立の過酷さなどが詰まった作品である。
2007年、イラン/フランス、監督:ハナ・マフマルバフ、舞台となる地域:アフガニスタン
監督の父親であるモフセン・マフマルバフ氏の著書『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』(現代企画室、2001年)に着想を得た作品。石仏が破壊された後のバーミヤン渓谷を舞台とし、1000以上あると言われる石窟洞に住みついた人々の暮らしを5歳の少女の視線で描く。学校に通うことに憧れる少女の一途な行動を、「タリバンごっこ」に興じる少年たちが阻もうとする。子供の情景の中にアフガニスタンの現実を投影した作品。
2007年、イラン/日本、監督:アボルファズル・ジャリリ、舞台となる地域:イラン、アフガニスタン
ハーフェズ(クルアーン暗唱者)の試験に合格した青年のもとに、チベットから来た大師の娘の家庭教師の依頼がくる。やがて二人は許されぬ恋におちるが、大師にすぐに知られて引き離されてしまう。ハーフェズとは、14世紀のペルシャ古典文学最大の詩人の名でもある。彼の詩をなぞりながら、イスラーム的な戒律が支配する社会における男女の愛を描いたイラン映画である。