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2004年、フランス、監督:トニー・ガトリフ、舞台となる地域:フランス、スペイン、モロッコ、アルジェリア
自分たちのルーツをたどるために、フランス旧植民地であるアルジェリアまで旅をするフランス人青年男女が描かれている。彼らは宗教には無関心であったが、道中で敬虔なムスリムに出会ったり、アルジェリアで宗教儀式に参加したりし、心境が変化していく。
2005年、フランス、監督:コリーヌ・セロー、舞台となる地域:フランス、北アフリカ、スペイン
スペイン北西部のサンティヤゴ・デ・コンポステーラは、聖ヤコブの遺体が葬られたとされるキリスト教の聖地であり、そこへの巡礼は現在でも根強い人気を保持している。物語は、母の遺言により仕方なく巡礼をすることになった仲の悪い3人兄弟、心に傷を負った女性、メッカ巡礼と勘違いしているイスラーム教徒の高校生やピクニック気分の女子高生など、動機も目的も異なる8人が1500kmの巡礼路をともに歩き、次第に心を通わせていく過程を描く。
2011年、フランス/スペイン、監督:ドミニク・モル、舞台となる地域:スペイン
17世紀、スペインのカプチン会修道院で暮らす修道士アンブロシオの前に仮面をつけた男バレリオが現れる。バレリオのもつ悪魔の力は、信仰深い修道士として知られていたアンブロシオを欲望の道へと陥れる。カプチン会は16世紀にフランシスコ会から分かれた修道会であり、厳密な修道生活を送る。こうした修道会の性格を知ることで、物語への理解も深まることだろう。
2006年、メキシコ、スペイン、アメリカ、監督:ギレルモ・デルトロ、舞台となる地域:スペイン
1940年代、内戦で父親を失った少女オフェリアは、独裁政権陸軍のヴィダル大尉と再婚した母親に連れられ森のなかにある軍の砦に移り住む。ヴィダルはオフェリアの母親が妊娠している自身の息子にしか関心を持たず、孤独に過ごすオフェリアは、ゲリラたちとの戦闘に明け暮れる砦での生活のなかで次第に空想の世界にのめり込んでいく。ある日森の奥で出会った迷宮の番人であるパンに地底の王国の王女の生まれ変わりだと告げられたオフェリアは、自身が王女であることを証明するため三つの試練に挑むことになる。山羊の角を持った半獣半人のような姿をしたパンは、ギリシャ神話における牧神パーンをモデルにしているが、オフェリアを取り巻く環境が過酷さを増すにつれて次第に悪魔のような雰囲気を帯びるようになっていく。
2010年、アメリカ/スペイン、監督:エミリオ・エステべス、舞台となる地域:アメリカ、スペイン
アメリカ・カリフォルニアに住むトムは、ある日一人息子のダニエルがスペインにあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼中に亡くなったという訃報を受け取り、スペインとフランスの国境沿いの町まで亡骸を引き取りに行く。眼科医として真面目に生きてきた自負のあるトムは、学業を放棄し旅に出た息子の行動が理解できず、不和のまま別れることになってしまったが、火葬された息子の遺灰を受け取り帰国しようとしたそのとき、息子の果たせなかった巡礼の旅に自らが向かうことを決意する。サンティアゴ・デ・コンポステーラは12使徒のひとり聖ヤコブの遺骸を祀ったキリスト教の聖地であり、そこへ至る巡礼路はフランスからピレネー山脈を越え800㎞にも及ぶ。巡礼路とは言っても、近年ではこの映画の登場人物たちのように、キリスト教徒だけでなく、自分探しやスピリチュアルな体験を求める人々が多く訪れている。
【世界遺産サンティアゴ・デ・コンポステーラとその巡礼路が舞台となっている。】
1997年、エジプト/フランス、監督:ユーセフ・シャヒーン、舞台となる地域:フランス、スペイン、エジプト
12世紀、イスラーム支配下のアンダルシアを舞台として、思想の自由を求めて闘った人々の物語。哲学者アベロエスの弟子となった主人公のもとに、聖典の重視、哲学批判、歌舞音曲の忌避を掲げる「セクト」による弾圧と洗脳の危機が迫る。彼は師の思想を守り抜くことが出来るのか。歌と踊りを交えたエジプト映画のもつ娯楽性を取り入れながら物語は展開していく。