進路選びで大切なこと

ちょうど今の11月後半は、中3の生徒さん達が志望校を

そろそろ決定していく時期です。

さて、高校選び、進路において、

一番大切なことは何だと思いますか?

やはり、第一志望の高校に合格できることでしょうか?

目指している高校に合格できることは、確かによいことです。

「第一志望合格率」が塾の宣伝のうたい文句に

なるくらいですから、重要なのでしょう。

しかし、もっと大事なことがあります。

それは、第一志望に合格した後に「よい学校生活が送れるか」です。

言うなれば「第一志望合格、その後の満足度」。

せっかく希望する高校に入れても、

「こんなんじゃなかった」となっては悲しいです。

実際に、私がこれまで受け持ってきた生徒さんの中にも、

絶対に行きたい、受かりたいと思って受かった後に、

「最高の学校だった。合格できて良かった」

「思っていたのと違った。まあ、仕方ないから我慢する」

このように感想が大きく別れることもあります。

第二志望の学校で大いに満足することも十分にあります。

大切なのは、有意義な学校生活を送ることなのです。

だからみんな、学校見学や説明会に

何度も足を運ぶのでしょう。

けれど、それだけでは学校の中身は分かりません。

なぜなら、学校生活の大半は「人との出会い、交流」によって

決まってくるからです。

第三志望の高校に行ったけれども、

そのおかげで素晴らしい友達に出会えた。

その後の伴侶となる異性と出会えた。

人生の師と呼べる教師と出会えた。

これらのようなことがもしもあったなら、

それはものすごく幸運な事なのです。

宝くじで数億当たるよりも価値あることです。

でも、このようなことが待っているかどうかは、

学校見学に何度足を運んでも分かるわけがないのです。

人の縁は、まことに不思議なものですから、

運としか言いようがないのです。

運は、もはや天に全てを任せるしかありませんから、

そこは任せてしまいましょう。

そのかわり、できる努力をしていきましょう。

さて、ひとくちに第一志望と言っても、

「本気で己の全てを賭けて挑む第一志望」と

「結構気合い入れて挑む第一志望」と

「軽い気持ちで決めた第一志望」では

内容がまるで違います。

その、本気度が高ければ高いほど、

入学後にガッカリする確率は低いです。

なぜなら、それだけ勉強を頑張ったからです。

頑張ると言うことは、苦難を乗り越えることです。

苦難を乗り越えてきたからこそ、

ちょっとやそっとの嫌なことでは

大してダメージを受けないのです。

苦難も慣れてしまえば「普通の出来事」になっていくのです。

受験勉強には、そのような効用もあります。

あるいは、お子さんの性格が

楽天的でどんな時でも基本的に笑える性格なら、

どんな学校に行っても幸せになれるでしょう。

そういう考え方、性格を身につけていくのも

相当にハイレベルな「進路指導」かもしれません。

それは卒業後も、一生の財産となることでしょう。

というわけで、志望校を目指す中で

努力を重ねていけば不満も少なくなるわけですが、

誰もが努力ができるわけではありません。

あまり努力しない受験、「消極的な第一志望」を選ぶ場合は、

できるだけ負担の少ない選び方をするとよいです。例えば、

・遠いところより近いところ

・勉強の難しいところより簡単なところ

(自分の学力、偏差値よりも下の所)

・部活が強制入部でないところ

これらのことです。楽であれば

不満は少なくなるからです。

特に、勉強が苦手な人はできるだけ

実力より下の学校に行くと良いでしょう。

思っているよりもずっと簡単で点数が取れるから、

やる気が出やすいのです。実際、そういう人は何人もいます。

相手が強い方が燃えるという漫画の主人公のような

性格でない限りは、このルートがおすすめです。

努力する人生も、しない人生もどちらもひとつの人生です。

自分自身にあう方を選んでいけばよいでしょう。

まとめ

・入学後に満足できることが一番大切。

・どんな人と出会えるかで高校生活が決まるが、

それは学校見学に何度行ってもわからない。

運を天に任せるしかない。

・本気で第一志望校を目指して努力すれば、

ちょっとやそっとの不満ではビクともしなくなる。

・特に第一志望について燃えない場合は、

楽な高校を選ぶとその後、不満が少ない。

(努力が大嫌いな方はここから先を読まないでください)

個人的には、どちらの人生が楽しいか?

絶対に、努力した方が楽しいです。

その先にある、広い空を見る喜び、

それを知った瞬間が青春の始まりです。

「どの高校に入るかよりも、高校に入ってから

どれだけ頑張るかの方が大事」です。頑張ってください。

「よい出会い」はそこに待っているはずです。

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