6,感じる力

【感じる力】

今回は4つめの「感じる力」について。

この4つ目の力は、今までの力とは少し方向性が違います。

1~3は、どちらかというと文章を読むために最低限必要な、

いわば「テクニック」に近いものでした。

絵描きに例えると、「何を創作しようかな?」というなものではなく、

筆の持ち方や遠近法など、絵を描くのにどうしても必要な

いくつかのポイントのようなものです。

読み、漢字の書き、言葉の意味。

この3つは最低限の国語の土台になりますから、

常にレベルアップさせる必要があります。

さて本日の感じる力。

感じる、とはどういうことでしょうか。

物語を読んで、泣いたり笑ったり、

意見文を読んで、その通りだと共感したり。

ここに、人間の感情というものがあります。

では、感じられない人はどうして感じられないのか。

1つ目は、文章そのものが理解できていない場合。

どんな感動作品も字が読めなければ、感じる以前に脳に入ってすらきません。

そういう人は、1~3の国語の基礎力を磨きましょう。

むしろ、大多数の子ども達はここに分類されます。

2つ目は、感じてはいるけれどもうまく表現できていない場合。

例えばここにきれいな空があるとします。

これを、ただ「きれいだ」と言うのは簡単ですが、

どうきれいなのかを表現できていなければ、

「あら?この子この空を見ても何とも思わないのかしら?」と

誤解されてしまうことがあるのです。

私がそうでした。

小2の頃に、たんぽぽの花について感想文を書かされたことがありましたが、

周りの人たちが「まるでじゅうたんのようだ」などのように表現しているのに対して、

私は「きれいだ」だけしか書いていなかったのです。

けれど、別にたんぽぽの花について無感動だったわけではありません。

これは、相手のことがめちゃくちゃ好きでも

うまくそれを伝えられないシャイな男性と同じです(笑)。

別に相手に無関心であるわけではないのです。

逆にアメリカ人などはおおざっぱに表現しますよね。

話が長くなりましたが、このように

「感じてはいるけどうまく伝えられていない」ということは

さほど問題ではありませんので、ひとまずはおいておきます。

3つ目、本当に感じない場合。

これはちょっとした病気と言えるかも知れません。

原因は様々ですが、

・ストレスが原因でそれどころではない

・あまりに外部からの刺激がなさすぎる

・生活習慣が乱れすぎていて生命エネルギーが弱っている

などが代表的です。

あまりに過密なスケジュールになると、

大人の我々でも花に目が行く余裕がなくなります。

習い事や部活でがんじがらめにならないようにしましょう。

また、常にゲーム、携帯、パソコンにばかり触れていると、

自然に対する感度が薄れていきます。

出来る限り普段から自然を意識できる環境をつくりたいものです。

植物を育ててみる、動物を飼う、公園に足を運ぶ・・・

機械だらけの環境ではあまり良い精神は育ちません。

というより、そんな生活が豊かで幸福な生活とは言えません。

食生活や睡眠がメチャクチャだと、物事に関して無気力になり、

「どうでもいい」「めんどくさい」が口癖になってきます。

表現はすこし極端かも知れませんが、

時には老人よりも元気がない時があります。

これはもう勉強以前の問題。

こんな状態で塾になど決して行かせてはなりません。

当たり前のことですが、その「当たり前」ができていない

時代なのです、この平成という時代は。

(※現在は令和となりました)

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