8,言葉を覚える方法

【言葉を覚える方法】

とにもかくにも国語は重要で、これがなければ

勉強そのものが進まないと言えるほどです。

この国語の力は、ノドから手が出るほど欲しいものです。

そのための具体的な方法についてこれからお話ししていきます。

もちろん、実践することができるだけ簡単であること、また

実践すれば力になるような内容を選んで紹介していきます。

人は、言語を以下の順番で習得していきます。

1,聞くこと(赤ちゃん)

2,話すこと(幼児)

3,読むこと(低学年)

4,書くこと(小学生以降)

主に学校の国語で取り扱うのは3と4です。

1と2は文字を使いませんが、3と4は文字を使います。

だからといって、1と2が軽視されてもよいわけではありません。

むしろ1と2がしっかり小学校入学前に行われていた子ほど、

3と4の力も増して来るというものです。

聞いて、話す。つまり会話。ここからすでにテクニックがあります。

普通の親子の会話を、一歩進めてコンフーを磨くための会話にする

基本テクニックがあります。

それは実に簡単なことなんです。「大人の言葉を使う」ことです。

なーんだ、と思った方もいらっしゃると思いますが、

あなどれないものがあるのです。

最近の中学生を見てください。多くの子ども達は

ケータイでメールを楽しんでいますが、横同士のつながりだから

短い単語ばかりで伝えあってしまう。例えば腹の立つことがあったら、

全て「むかつくよねー」の一言でしか表現できない。

「はらわたが煮えくりかえる」とか、「怒り心頭に発する」なんて

高等表現は夢のまた夢です。この2つは中学生が使うには

やや難しいかも知れませんが、使えないレベルではないと思います。

私は生徒と会話しながら、常に表現を考えてからしゃべります。

例えば当塾の生徒がゲームをやっていた時のことですが、

「策を練って作戦を考えてから戦うんだ、そうすりゃ勝てる」のように

難しい言葉(策を練って)と簡単な言葉(作戦を考えて)を

あわせてしゃべりました。すると不思議、言葉はうつる、

当塾の5年生の子は「策を練って」という言葉を覚えました。

他にも例を挙げるなら以下の通りです。

・「あそこの家が火事になって、延焼、

つまり火が燃え移って行ったのさ」

・「左と右が違うよ」→「左右が逆」

「左右が正反対」と言いかえられる

・「今日は忙しくて てんてこまいだよ」

ただしこれにも注意点は一つあります。

それは、あまり教え込もうとする意志が子どもに伝わると

逆効果になってしまうのです。

「なんか、勉強させられてる気がする」と

思わせないくらいの気軽さが大切です。

あくまで毎日少しずつ、自然に伝えていくのがよいでしょう。

「けど、そこまで難しい言葉は知らないわ」という方も

いらっしゃると思いますが、そこまで心配は要りません。

何も「得てして」とか「畢竟(ひっきょう)」のような

高校生~大学生なみの言葉を使う必要はありません

(今の大学生、畢竟の意味が分かる人どれくらいいるだろう?

ちなみに、「つまり」の意味です。)

いつもいつも同じ表現ばかりにせず、いろいろと言い方を

変えてみるという、ちょっとした意識だけで大丈夫です。

例えば「病気がうつった」→「感染した、伝染した」などです。

ある程度の言葉を小学生のうちに学んだら、あとは

読書などを通じて、より高度な言葉を覚えていく段階に

いたるからです。ただしその読書において、

言葉をあまりにも知らないと読むことができないのです。

言うなれば、親子の会話は読書へのドアと言えるでしょう。

なお、このような訓練は幼児~小学生のうちが有効です。

また年齢や言語能力に応じて使う言葉も、

ある程度制限することは必要です。

例えば幼児に、前回使った「延焼」なんて

教える必要はないですからね。延焼は5~6年生レベルです。

このように言葉を自然に覚えていけば、学校の学習においても

大きくリードして進めることができます。

ちょっとした習慣が未来を変える好例ですね。

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