レベルごとにあわせた数学の上達法

【レベルごとに合わせた数学の上達法】

数学が苦手なお子さんは多いです。

そのため、「どうやったら数学の点数が上がるのか?」

という質問はよくされます。

その質問への答えはひとつではありません。

平均点が50点の数学のテストの時、

以下のように分けて考えてみます。

入門→0~20点

初級→20~40点

中級→40~60点

上級→60~80点

トップ→80~100点

1,入門レベルから初級に上がりたい場合

こういう場合では、基礎となる計算力が

足りていない場合が非常に多く、

それが足を引っ張ってしまっています。

そのため、まずは計算力を徹底的に

1から作り上げることが大切です。

半年くらいは磨いた方がよいでしょう。

すばやく正確にできるようになるまで練習します。

初級~上級クラスの人でもこれを行うことで

底上げがされることもあります。

受験まであまり時間がない場合でも、

この練習は少しでもやったほうがよいです。

塾に通う前に、これらのことを

家庭学習でやっておくと上達が早くなります。

2,初級から中級に上がりたい場合

ある程度計算力がついてきたら、

分数の計算の仕方を練習します。

できれば、小数を分数に直す方法も

覚えておくとよいでしょう。

(0.3→10分の3など)

そうしておけば、計算問題に

分数が混ざってきても困りませんし、

小数が出てきたら分数に変換すればよいのです。

どちらかといえば小数よりも分数まじりの問題が

出ることが多いので、分数優先です。

次に、教科書やワークを使いながら

基礎的な問題の解き方を覚えていきます。

この時、説明を読んでもわからない場合は

塾などでわかりやすく説明してもらうわけですが、

「説明・解説を読んで理解する力」は上達のために必須です。

できれば、何度も読んで自分で理解できるように

したほうがよいです。そうすることによって、

理解力は身に付いてくるのです。

そのため、私が生徒に指導するときは、まず解説を読ませて、

それでも分からないときに説明するという方法をとっています。

なお、練習してもなかなか解き方が覚えられない人は、

ノートなどにメモしておいて、ちょくちょく見るようにしたり

実際に解くようにすると覚えやすくなります。

慣れてくると、覚える早さも上がってきます。

3,中級から上級に上がりたい場合

このレベルに来ると、50点くらいは取れているため、

それ以上を目指すために学校の授業で使われている

ドリル・ワークを「マスター」することを目指します。

「マスター」とは、その問題集に載っている問題を

全て、ノーヒントでできるようにすることです。

(特別難しい問題1~2問くらいは抜いても構いません)

これを実行しておけば、テストの時に同じような問題が出ても

解くことができます。全部解ければ高得点を狙えるでしょう。

ドリル・ワークをやっている時は、わからない問題は

やはり解説を読んで理解しなければならないので、

自分で問題集を買う場合は解説がわかりやすいものを選びましょう。

なお、買うのは1冊だけでよいですから、

必ず「マスター」してください。

4,上級からトップクラスに登りたい場合

問題集を全てマスターしておけば、

問題集で練習したものは全て解けるはずです。

いくらか計算ミスなどをしたとしても、

80点くらいは行けるはずです。

では、残りの20点とは何か。

それは、問題集に載っていない「未知の問題」です。

これらが解けるようになればもう100点は目の前です。

そのためには、さらにレベルがひとつ上の

問題集を新たに買って、「マスター」することです。

こういうことを続けていくと、

自分の中に「解き方のストック」が貯まっていきます。

少し専門的になりますが、中3の最後まで学ぶと、

「相似」「三平方の定理」などを学びます。

図形問題で、長さを求める問題の時には、

それらの知識を使って解いていくことになります。

つまり、手持ちのカード(学んだ知識)の中から、

問題に使えそうなものを選ぶと言うことが必要になるのです。

トップレベルの子は、これらの経験量が豊富なのです。

しかし、こう書くと、

「結局は解き方をたくさん暗記すればいいのだから、

暗記科目ってことになるの?」と

思われるかも知れません。

それは、半々です。どちらとも言えます。

暗記っぽく数学に取り組めば暗記科目になりますし、

じっくり考えて解く姿勢を持てば思考科目になります。

ただ、暗記と思考は車の両輪。

お互いに助け合って問題を解くことができます。

このレベルにまで高まったら、

もはや数学を人生の武器として活かせるレベルでしょう。

最後にまとめますと、

初級では計算力と分数練習。

中級では教科書を読んで理解力を磨きながら練習。

上級では問題集のマスターが大切。

ということになります。

道のりは長いですが、頑張ってください。

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