11,書く力を磨く

【書く力を育てる】

さていよいよ、最後の書く力です。

この書く力が、最も得るのが難しいです。

特に、作文や感想文は嫌いな宿題のベスト3に入るでしょう。

多くの子は文章を書くのが大の苦手です。

中には、原稿用紙3枚の読書感想文をかかなければ

ならなかった時に、3枚目の途中までを

「本を借りに行くまでのストーリー」で字数を埋めたという

剛の者もいるくらいです。

でも、仕方ないんですね。学校では、長い文章を書く

トレーニングがほとんど行われていないのですから。

書く力を養うためのトレーニング方法については

後でじっくり説明するとして、

まず先に確認したいのは次の2点です。

・書く力がつくと、全ての教科が得意になる。

・書く力は、全ての国語力の合計である。

国語力の合計というのは、今までにお話ししてきた

聞く力、話す力、読む力、書く力の4つの合計ということです。

したがって、聞く、話す、読むのトレーニングを十分にせずに、

いきなり書くトレーニングに行くのは急ぎすぎ、ということです。

ただしここで、最後の問題が残っています。

「書く」というのは、

「漢字を書く」ことと

「文章を書く」の2つがあるということです。

漢字テストというのはまさに前者のほう。

作文や感想文は後者のほうです。

もちろんどちらも大事です。

しかし、漢字と作文はまるで違います。

極端に言えば、ひらがなしか書けなくても、

中身がおもしろい作文は書けるのです。

それでは、漢字練習についてのお話をしていきます。

それが終わったら作文についてのお話をします。

多くの漢字が苦手な子は、漢字が嫌いです。

ひらがな使ってればそれでいいのに

なんで漢字を覚えないといけないんだろう・・・

そう思いながら漢字練習をしています。

うまく「漢字を学ぶ意味」や「漢字の楽しさ」を

伝えることができればカンタンなのですが、

それは現場の教師でも難しいことです。

それではどうすればいいか。

嫌にならない程度の練習を続ければよいのです。

ひとそれぞれ、食べる量が違うように、

ひとそれぞれ、練習できる量、時間は違います。

通常、学年が上がっていけば練習量は増えます。

しかし個人差がありますから、人と比べるのは禁物です。

「あそこの子は1日2時間勉強してるんだから、

ウチの子も2時間やれるはずだ」と、

ついつい思ってしまいますが、

それはあまりよい結果を生みません。

(この意識はとても大切です!

人と比べることが競争意識につながるのは

原則として、得意な分野においてです!

苦手なものは自分のペースで

克服していくことが健全です!)

あくまで学習はその子のペースでやるのが基本なのです。

特に漢字のように「人気のない学習」はそれが言えます。

それでは、さらに細かい練習のチェックポイントです。

●低学年の場合

まずはひらがな、カタカナをしっかり書きましょう。

特にカタカナは漢字と形が似ていますから、

カタカナをよく練習しておくと漢字の習得が楽になります。

この時期は漢字ギライにしないためにも、

練習の無理強いは禁物です。

「1日5分だけ学習する」などの約束をして行うとよいでしょう。

そして、徐々に伸ばしていけばよいのです。

はじめは、5分頑張ったことを誉めるくらいがよいでしょう。

●中学年の場合

ちらほら、書けない漢字、忘れた漢字が出てきます。

書ける漢字、書けない漢字を分けて、

書けなかったものを書けるようにしておくことが大事です。

漢字が得意になるか苦手になるか、このあたりで分かれます。

ここできちんとサポートしてあげることが大事です。

できなかったからといって叱ったり文句を言うのは

やる気をなくします。

●高学年の場合

漢字が難しいだけでなく、「条約」「修好」など

意味が難しいものも出てきます。

ここで多くの熟語を獲得しておくことが、

中学での全学習をラクにしてくれます。

漢字がかなり苦手な場合は、三年生あたりからの

復習を行うことも有効です。

昔の漢字を書いてみると、意外に書けたりして、

やる気が出てくることも結構あることなのです。

●中学生の場合

まず、小学校の頃に漢字が苦手だった人には、

総復習を開始することがおすすめです。

それらができてから、中学での漢字練習に入りましょう。

中学は小学校の頃に比べるとあまり漢字練習に

力が入っていないことが多いです。

自分で学ぶか、周りがサポートしてあげる必要があります。

12,文章を書く力