模試について

今回のテーマは、ズバリ「模試」です。

私の経営する塾の生徒達も、それぞれ

学校単位で行われる模試を受けています。

問題なのはその結果です。

良かったときはそれでいいんです。

悪かったときの対応が大事なのです。

というのも、大抵は悪い点数になるからです。

なぜなら、模試は普段のテストよりも難しく、

そして合格判定も厳しいからです。

それはなぜか。

例えば、もしも模試が(シャレじゃないですよ)カンタンで、

いい点数が取れて、合格判定も甘く

「絶対受かります。」と判定されたのに、

実際の入試では落ちてしまった場合。

「模試ではあんなに良かったのに。

模試の結果がアテにならなかった」となり、

模試そのものの信ぴょう性が疑われてしまいます。

クレームが発生するということです。

医者だって、誤診が少なく的確に診断できる人の所に

患者がたくさん集まります。

ですから模試も、けして甘い評価はつけないのです。

逆に、厳しい評価をしておけば、

「やべー、こりゃ勉強しないとまずいかな」と生徒は思う。

そして、判定で「合格は厳しいでしょう」と言われたのに

実際は受かったとしても、その模試に文句は誰も言いません。

落ちても「やっぱり模試の言うとおりだった」と納得します。

以上が模試の仕組みです。

それではここから、何が問題なのかを述べていきます。

一番害であるのは、やる気をなくしてしまうこと。

先ほど述べたように、悪い点数で「やべーやらないとまずい」と

思うようなバイタリティのある生徒は少数です。

よしんば思ったとしても、次の日から勉強を開始する人なんて

ほとんどいません。

むしろ大部分の生徒は「あーあ。こんなもんか」と士気が下がります。

本来の実力はもう少し上で、さらに伸びていけるのに、

自信をなくしてしまうのです。

だから生徒にはいつも、

「偏差値は+10して考えていいよ」と言っています。

模試の偏差値+10が現在の実力、という意味です。

模試の目的は

・試験に慣れること。(これが一番大事です)

・低めの点数をとって、危機感をつのらせること。

(ただし、プレッシャーがマイナスになる人には逆効果です。)

・自分の弱点を知ること。ただしこれは、生徒本人が見ても

なかなかわからないかもしれません。

この3つです。だから模試は、何度も何度もやる必要はありません。

多くても、年3~4回で十分です。

なぜなら、模試をたとえ百回やっても、学力は上がらないからです。

学力とは、間違えたところを何度もくりかえして覚えて

補強してはじめて実になるからです。

よって、私であれば次のような作戦を採ります。

1,まずは普段の学習を大切にして、

学校のテストでの点を上げていく。

2,実力がかなりついてきたら、

模試をたまに受けて、試験慣れすることと、

テストのやりかた(時間配分など)を覚える。

3,テスト結果を見て弱点を探し出す。

もっとも、プロの目から見たら弱点なんて

普段の授業でわかります。

ただ、一度だけ、学力はあるのに実際のテストは低い

中3の生徒がおり、詳しく調べてみると、

「計算をするとき、問題用紙の裏を使っていなかった、

そのため、計算間違いが多かった」ということがありました。

普段の授業ではノートを使ってるから計算間違いがなかったのですね。

模試という練習試合ではこのようなことが判明することもあります。

こういったテスト時のちょっとしたテクニックや工夫は、

実際に模試を受けてわかる場合もあります。

そういうわけですから、

あまり模試の結果でガミガミ言うのはやめましょう。

それが原因でやる気を失った生徒達がたくさんいました。

怒る前に、冷静に対策を練りましょう。

そちらのほうがよほど有益です。

練習試合を何度も繰り返すより、正しい練習を

しっかり続けていくことが上達のためには必要なのです。

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