2,計算力アップの方法
【計算力アップの方法】
試しにお子さんに聞いてみてください。
13-6は?と口頭で聞いてみて、7と答えるまでに何秒かかるか。
1秒かからなければ合格です。
2秒ならまあまあです。
3秒以上かかるなら、特訓すると良くなります。
5秒以上かかってしまう場合は、必ず特訓してください。
基礎計算は必ず長きに渡ってお子さんの役に立ちます。
それは社会に出てからもそう。それこそが、本当の学力と言えるでしょう。
また、特訓によって計算力がついてくると、数に敏感になってきます。
以前私の塾で、次のような問題を小五の子に出しました。
111+222+333+444+555
+666+777+888+999
そうするとその子は、計算の仕方をこう工夫したのです。
111と999を足す。1110となる。
222と888を足す。1110となる。
このように、1110が全部で4つできるから
1110×4=4440。
残った555を足すから4995となる。
こういう解き方は、教えてしまえば楽なんです。
けれど、それでは進歩しません。
1と9を足せば10になり、2と8を足せば10になるということを知っていて、
それを応用変化させて使ったところに素晴らしさがあります。
計算が苦手な子は、このような発想はなかなか浮かびません。
計算力が劣っていると、後で分数の計算や中学の数学が始まったときに
つまらないミスをしてしまったり、また理解の邪魔になってしまったりします。
後顧の憂い(こうこのうれい:後になって心配の種になりそうなこと)は、
できるだけ早く取り除いておくことが重要になってくるのです。
ですから、算数が苦手ならとりあえず計算だけでもやっておけば、
後顧の憂いは取り除けます。
逆に、計算が不十分なのに問題集のような応用問題をやらせると嫌がります。
1783-984のような計算も同様です。
ちょっと難しい計算が苦手だったら、
前述した6+8や13-6や8×7などの簡単な計算をさせてみてください。
それらを手足のごとく使いこなせれば、
算数得意の第一歩は踏み出したのも同然です。
学校の授業についていくためには、
計算の速さは間違いなく必要なものなのです。
点数を取りたければ、まずは授業をしっかり聞かなければなりませんから、
もしも授業についていけなければ計算練習をしましょう。
目安として、100ます計算のようなプリントを1日1つ
(つまり100問)やってみるといいでしょう。
ただし必ず全力スピードで取り組むこと。
はじめは時間がかかってしまうかもしれませんが、
慣れていくことが目的です。
なお、学習量は個人差がありますから、
お子さんにあった量から始めて少しずつ増やしていくのが王道です。
少々、計算力にばかりこだわってしまいましたが、
それもこれも計算力が非常に重要だからです。
にもかかわらず、応用や高レベルの計算練習ばかり
やらせようとする風潮が強いため、
強調する意味で計算力の話を多くしました。