街なかで暮らす
まちもり叢書
街なかで暮す
あぶないマンション暮し・いらないバイパスの街
PDF版(4MB)
伊達 美徳
目 次
はじめに●５
第２話 都市を造り直す◆７５
第３話 街に帰ろう◆８６
まちもり叢書縁起●１０５
はじめに
今は街の中に住んでるが、年とったら静かな田舎で暮したいという人が多い。
わたしは反対に、年とったらにぎやかな街の中で暮したいと思い、ただいま実行している。
今は借家だが、なんとかして持家に住みたい、それも大規模高層マンションがいいという人が多い。
わたしは反対に、持ち家に住んでいたけど、年とったら借家だ、それも公共賃貸住宅にしたいと思い、ただいま実行している。
ところが街の中には住みやすい適切な家賃の貸家は少ないし、公共の貸家は実に少ない。大規模分譲マンション（わたしは名ばかりマンションといっているが）という地震に危ないものばかりが目立つ。
その上、持家にはいろいろ助成政策があるのに借家にはほとんどないのである。ケシカラン。
あちこちに旅をする。どういうわけか街の入り口が汚い。高速道路から降り口がまず汚いし、バイパス道路を走るとこれまた実に汚い風景である。
そんな玄関を通り抜けて、ようやく街の中に入ると、昔からの街並みが素敵なのだが、どうも人が歩いていなくて、空き地空き家が多くて寂しい。
年とったら街の中で暮したいと思っても、これでは街の中の暮らしが難しいだろう。
どうしてこんな良い街を捨てて、汚らしい郊外を作り、そちらに移り住み、汚らしい郊外安売り店舗に、わざわざ自家用車を運転して買い物やら遊びに行かなければならないのか。オカシイ。
世の中は不思議なことが進行している。年寄りが増えるのに、こんな住まい方、こんなまちづくりでよいのか。
政権が変って少しは何かが変るかと思ったが、まだなにも見えない。
そんな疑問をあちこちの出版物やらわたしのウェブサイトに書き綴ってきたことを、ここに編集してＤＴＰ版冊子にしたのである。
編集に当たっては、中には同じことを繰り返しているものもあるし、今は変っていることもあるが、時間的変遷も重要なことなので、原則として初稿に手を入れないこととした。
まちもり叢書縁起
長い人生で仕事やその周辺そして趣味でたくさんの文章を書いてきた。
いわゆる商業出版物は、共著も含めて１０冊くらいだろうか。
仕事でまとめた報告書なる印刷物は、２００冊を越えるだろう。
それらは商業出版ではないが、わたしとしては面白がって、
私見もたくさん書き込んだものである。
雑誌への寄稿はもっと多いだろう。
それらの昔の頃からの書き物を整理して、
２０００年末からインタネットサイト「まちもり通信」に掲載を始めた。
そのうちに書き下ろしも載せるようになり、
ついには２００８年からブログ「伊達な世界」も始めた。
ぼう大なファイル数のサイトになってしまった。
実は１０年くらいまえに、主なものをまとめて出版しようかと
思ってその気になった。だが思い直した。
これほどにインタネットが普及すると、
紙情報よりもこちらのほうが優れていると思うようになった。
絶版はないし、誰でもアクセスできるし、
ほとんど無料だし、随時公開できるからだ。
だが問題は、読ませたい人がお読みかどうかとなると、
インタネットではまことに心細いものがある。
これが書籍ならば、こちらから一方的に押し付けて
読め読めもう読んだかと催促できるし、読むほうも持ち歩いて読める。
そこで考えた。ジャンルごとに、机上で編集、デザイン、
プリント、装丁、製本までやる趣味の手作り本にして、
そのときどきに出会う人に押し付け配布することにしたのである。
題して「まちもり叢書」、随時出版のＤＴＰである。
今これをお読みの方は、読め読め被害者のお一人である。
なにとぞ、徘徊老人のボケに免じてご容赦を。
２０１０年８月 まちもり散人
まちもり叢書・趣味の卓上手作り出版
―――既刊（2010.10時点）―――
・父の十五年戦争／神主通信兵の手記を読み解く
・横浜Ｂ級観光ガイドブック・関外／戦後復興の残照
・波羅薔薇時記／日々の小言僻言繰言寝言
・街なかで暮らす／あぶないマンション暮し・いらないバイパスの街
―――続刊（見込み）―――
・建築保存とは何か／赤煉瓦東京駅舎の復原から考える
・中越山村の四季／棚田の米つくりから見てくること
・自然の風景・文化の景観／なにもかもが人間の仕業
・山口文象／時代の先端を駆け抜けた建築家
・高梁川／鎮守の森から
◆
まちもりサイト・電子網上瓢論と孤乱夢
・伊達な世界http://datey.blogspot.com/
・まちもり通信http://homepage2.nifty.com/datey/
まちもり叢書
街なかで暮らす
発行日 ２０１０年１０月８日
（これは第２刷目の手作り本です。
毎回手作りですからその都度一部が変ります）
著 者 伊達 美徳
発 行 まちもり社
電 話 ０９０・５８０２・３３８４
（伊達美徳）