西森秀稔教授 量子先生 : 西森秀稔博士が 量子アニーリングについて語るhttp://dwavejapan.com/dr-hidetoshi-nishimori-answers-whurleys-questions-quantum-annealing/
東北大学情報科学研究科 西森秀稔教授が公益財団法人NEC C&C財団のC&C賞を受賞
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2018年10月23日 NEC Wisdom 量子アニーリングマシンで、夢の量子コンピュータを実用化に導く ~従来より1000倍安定させて、実社会の多様な課題を解決へ~ https://wisdom.nec.com/ja/technology/2018102301/index.html
高効率・高速処理を可能とする量子アニーリングマシンの研究開発に採択
NEC、量子アニーリングの組合せ最適化機能を大幅に向上する方式に目途、実用化に向けた取り組みを加速
価格:¥1,620 日経BP社 (2016/12/9発売) 目次
量子コンピュータと人工知能の新時代が始まった
第1章 「1億倍速い」コンピュータ
第2章 量子アニーリングマシンの誕生
第3章 最適化問題の解き方と人工知能への応用
第4章 量子コンピュータがつくる未来
第5章 量子の不思議な世界を見る
第6章 日本が世界をリードする日はくるか
カスタマーレビュー Zubeneschamali 5つ星のうち5.0 初学者が読んでみてあれこれ考えたこと 2017.9.29 人文科学とともに、科学や数学の啓蒙書も時々読んでみたくなる。
科学や数学の系統的な学習は、高2でほぼ終了している。
若い頃から、コンピュータの技術には関心があったので「量子コンピュータ」という言葉は知っていた。
量子コンピュータの啓蒙書として読むのは、1冊目だ。
最近では、こうした最先端の科学啓蒙書を日本語で読める有り難さと重要性を強く自覚している。
この種の啓蒙書で重要なのは、読んだ者を何となく分かった気にさせてくれることと読後の満足感だ。
本書でも「量子力学とは何か」という項があり、「シュレーディンガーの猫」や「不確定性原理」が紹介されいて、よいことだと思う。
子どもの頃、相対性理論の啓蒙書(確かブルーバックス)を読んで、とても驚き好奇心を刺激されたことを覚えている。その後読んだ「量子力学」の啓蒙書にも驚嘆した。その頃、UFO、心霊、超能力に夢中になっていたが、正当な科学分野でも、驚きに満ちた世界があるのだということを知った。
ただ、「量子力学」の啓蒙書の中には、分かりにくいものもある。読み手と書き手のどちらが問題なのか。最近は図々しくなったので、普通の理解力あって理解できないのは書き手や作り手の側に問題があることにしている。
例えば、カタカナ語の扱いである。素粒子関連の言葉など、クォーク、フェルミオン、レプトン、バリオン、ハドロン、ニュートリノ、ボソン、ゲージ、ヒッグス、グラビトン、タキオン等々、何の説明も概念図の掲載もなく、地の文でずらずらと出てくると、理解しようとする思考が途切れてストレスとなってしまう。何が上位概念で何が下位概念か、重なり合う概念は何と何かなど、読者に余計な思考を強いることになる。結局何冊か手にして、わかりやすい図表に出会って疑問が氷解し理解が進んだ。
この時考えたのは、欧米人はギリシア語やラテン語の知識や音の響きなどで、これらの語が、すっと頭に入り、定着するのだろうかということであった。また、中国語では、どのように訳されているのかも知りたくなったものだ。
いずれにしても、普段英語や数学を使わないで暮らしているが、知りたいという知的好奇心旺盛な多くの日本語話者に応えるような編集が重要であると思う。
本書では、はしがきの冒頭に読み手を意識した記述がある。
「本書を手に取った方は、「量子コンピュータ」に興味があるのだろうか、それとも「人工知能」に興味があるのだろうか、もしくは両方だろうか?」と。
それに答えるとすると、もう一つ加えて「科学を解説する日本語に興味がある」と。
本書の題名『量子コンピュータが人工知能を加速する』は、漢字、カタカナ、ひらがなのバランスがよく、素直でよい題名だと思う。小学校で習う漢字だし、漢語も造語もイメージしやすい、小学校の高学年なら、「人工知能」も「加速」もほぼ読めてイメージできるだろう。一般の大人でも、「量子」は読めても説明はできないかもしれないが、自分達の使っているコンピュータとは違うのかなということはイメージできる。
「量子コンピュータ」という漢語とカナとを合わせて造語できることが日本語の優れた点だ。
マーカーを手にして、ポイントとなる言葉、文章などを気にとめながら一気に読んだ。少し引っかかった所や止まって少し考えた所は後で記載する。活字も大きく内容も絞り込んであったので読みやすかった。何となく分かった気にさせてくれたので満足感も大きい。何よりも「量子アニーリング」理論の考案者が著者であることが嬉しい。
この「量子アニーリング」という言葉は、2ページ目に初めて出てくる。本書の核心であるので、この語の解説は小出しにしている感がある。アニーさんのリング?アニーさんの輪っか?
読後に気がついたのだが、英語の(副)題が表紙に載っていた。「Quantum Annealer Accelerates Artificial Intelligence」。アニールか。アニールなら聞いたことがあるぞ。光学レンズに興味があったので本で読んだこともある。製作の過程でアニールがあることを思い出した。
ポートフォリオ!アルゴリズム!株やソフトウェアに馴染みのない人、子どもにはわからないかもしれない。ポートフォリオ(資産構成?)、アルゴリズム(算法?)と括弧書きで漢語を載せてくれたら親切なのにと思って読み進めていたら、本書でもそのように配慮していた語があった。ディープラーニング(深層学習)。シンギュラリティ(技術的特異点)。
その他、ストレスに感じたカタカナ語は「コヒーレンス時間」。この語は技術的に重要な語であるらしいので(可干渉性?)の併記があってもよいかもしれない。「キメラグラフ」(p.54)のキメラって生物学に出てくるあのキメラ?「クラスタリング」(p.87)のクラスタって、クラスタ爆弾のクラスタのこと?など。
反対に理解を進める上でよい漢語の使用もあった。①組み合わせ「最適化問題」②「厳密解」③「近似解」など。
以前(20年位前?)、「フェルマーの最終定理」が解けたということが話題となった。その時、何がすごいのか知りたいと思った。最初の啓蒙書は駄目だった。2冊目は確か厚めの文庫本で、最終定理を解く鍵となる先行研究やなぜフェルマーの最終定理と関連するのかが丁寧に説明されていてよく理解できた。
本書でも先行する理論や技術の説明があり、「ムーアの法則」がどのように越えられようとしているのかが理解できた。また、掲載されている図などが理解の手助けとなる。個人的には「量子ビットに「横磁場」をかける」の項の図(p.34)がよかった。
数学が得意な人はp.134の「ハイゼンベルグの不等式」や「小澤の不等式」を、物理が得意な人はp.136 の図を、技術に関心がある人はp.142の図を、理解しようとするに違いない。
それにしても、「量子コンピュータ」の最初の提唱者であるファインマンの「世の中の全てのものは量子力学に従って動いているのだから、量子力学の原理をうまく使って動くコンピュータを作れば、いろいろなシミュレーションが効率よくできるはずだ」(p.45)という発想は、やはり天才的だ。
そして「量子アニーリング」という理論を打ち立てた著者たち、実際に商用の「量子コンピュータ」を完成させてしまったベンチャー企業の人たち、凡人には人智を越えているようにさえ思える。ノーベル賞級の成果であることは間違いない。もし投資家だったら、量子コンピュータの可能性に賭けてみたい。
最近、今後日本でノーベル賞受賞者が出なくなるのではないか、論文数が伸び悩んでいるという懸念がニュースになっていた。
確かに問題であろう。ただ研究環境は制度とお金と時間の問題だから、その気になれば改善できる。
同時に大切なのは、研究や研究者を大切にするという文化である。日本人は好奇心が旺盛な民族であると思う。裾野を大切にする意味でも科学ジャーナリズムの役割は大きい。
しかし拙速に慌てる必要はない。
日本には「日本語」と「漢字」と「科学啓蒙の出版文化」があるからだ。
ブルーバックスの第1作目は『人工頭脳時代』(1963年)であった。きっとこの本を読んでコンピュータ科学を志した人がいるに違いない。
本書についても、日本のどこかで子どもが手にしているはずだ。そして、その中から将来の科学者が生まれることを願っている。科学に興味のありそうな子どもがいる家庭では、まず親が読んでみて何気なくテーブルに置いておくのもよいかもしれない。
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⇦2020.11.9