５．書道：

「日蓮大聖人御書全集」の金文字は鳴鶴流第三代岡村天溪先生の書です。

　ある日、会社の書道部長が「岡村天溪個展が銀座松崎画廊で開催中、全作品がフランス文化庁買上げ対象で、パリのシャイヨ宮で披露予定」と知らせてくれた。早速会場へ。作品は墨色の条幅のほか篆隷楷の彫刻(篆刻)は美麗な極彩色、文字は端正であった。この個展での圧倒的な感動が運命を変えたのです。感謝！

　まさか会社の書道部の先生が！　即入部(入門)。
その後師匠は旧紙幣の「○圓札」を書き、第一回毎日書道展で招待出品、明治時代の巨匠「日下部鳴鶴」の孫弟子、ある仏教宗派の猊下や若い僧侶(所化)を多数指導、作品価格は美術年鑑でトップランク・・・多方面で活動される超一流書道家である事を知りました。数年後天溪会に入会。さらに師範科へ。

　右の書道教授の看板(76×18センチ)は1981年5月に天渓会(東京)から発行されたものです。師範号「大木たいぼく」。岡村天溪(師匠)の直筆です。天溪会書道展には毎年出品しました。師範科の指導者は南鶴溪先生(現・鳴鶴流第四代)で、中国古典(欧陽詢の楷書『九成宮醴泉銘』など)がお手本でした。厳しい１年間、やっと卒業できました。他方、天渓会の行事参加は楽しく、岡村天溪書の石碑見学は忘れられません。

　今、特別に文字を依頼された時は、岡村天溪師匠の手本を開いてしっかり確認。眼高手低と言われますが眼高手高に近づきたい。師匠のお手本を開くと肚がきまります。ZONEに入れます。

「上久我第一自治会館」は厚い檜板を砥の粉で磨き、一晩で書きました。半切用紙に何枚か書き、それを手本に板には一回で書き失敗は許されません。2020年カレンダー表紙の「淡路人形浄瑠璃」は50枚書きました。

　小学校3年生の「書写」授業、今年はコロナ禍でお休みになりました、残念。

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2020年年賀状の筆文字です。

看板文字は、今後も頼まれたい、一番やりたい仕事です。