インフルエンザに罹患した患者とその家族へのケア
1.職業
2.業務分類
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
このケーススタディが示しているのは、感染力の高い疾患〔インフルエンザ〕を患う患者をケアするために、訪問保健師が、地域共同体のなかで、いかにして患者、患者の家族、そして公衆衛生、ケア提供者と協同していくかである。
本ケースの患者・P氏は農村部出身の28歳の白人女性で、銀行の出納係の仕事をしながら、妻、そして、3歳の子の母親でもある。近所に支援してくれる家族はいない。彼女に慢性疾患はなく、避妊薬を除いて薬を服用してはいない。
彼女は昨日の就寝前に咳と倦怠感、体の痛みを訴え始めた。しかし、病休を取っていないので、日が経てば、気分が良くなるだろうと考えて、仕事に行った。夜遅く帰宅した時、彼女は、悪寒と発汗、筋肉や体のひどい痛み、咳、頭痛、疲労感をおぼえた。夫に夕食を用意し、子どもの世話をしてから就寝したが、症状はさらに悪化し、現在、寝たきりになっている。
夫は心配しているが、8か月もの間、整備工として雇われているため、妻のケアのために家にいることはできない。家族のために、雇用主が提供する健康保険に加入している、
近隣に住んでいる家族がいないため、その朝、夫は、妻を医者に診せに連れて行ってくれるよう、隣人に頼んだ。そして、仕事に行きがてら、娘をいつもの保育園に送り届けた。
〔訪問〕看護師は、自分の妻へのケアの提供を要することになる、P氏の夫に励ましを与える必要があるだろう。だが、他方で、夫自身やその娘、地域社会の人びとの健康と福祉を守る必要もある。さらに、経済的に問題となる要因を認識する必要もある。
家族、プライマリケア提供者(PCP)、公衆衛生機関との連携が、このケースの取り扱いにとっての要となる。
#感染症患者のケア
6.出所
Leslie Neal-Boylan, Case Studies in Nursing. Clinical Case Studies in Home Health Care, Wiley-Blackwell, 2011.