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尿路感染症を「秘密」にしたがる患者への援助
1.職業
2.業務分類
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
このケースが示しているのは、患者の身体機能を最適なレベルにまで回復させる納得のゆく目標を突き止めるために、訪問看護師はどのようにして、多職種および患者本人と協働することができるのかである。
Sさんは75歳の白人女性。右股関節の形成術後に、在宅医療の適応となった。この患者には、高血圧、甲状腺機能低下、変形性関節症、および冠状動脈疾患の病歴がある。彼女は2年前から、冠状動脈にステントを入れている。
訪問看護師による問診の際、患者は自分がバスルームに行く途中で転倒し、右股関節を骨折して、外科的な修復を要したことを認めている。その股関節の治療のために入院していたとき、尿道カテーテルを挿入していたが、カテーテルを抜去してから尿もれが起きていた。患者は当初、失禁を否定していた。しかし、問診後、訪問看護師に、尿もれのような事態を避けるために、頻繁にバスルームに行くのだと説明し、長時間行かないでいると「突発的な事態」を引き起こす恐れがあることを認めた。また、患者は訪問看護師に、「少しの間」外出しなければならない場合の対処法として、生理用ナプキンを使用していることを伝えている。
看護師が、これらの情報を医師などの他のスタッフに報告してよいかと尋ねたところ、患者は拒否した。「医師は何をするつもりなのですか。この症状が老いによるものなら、私はそれを引き受けて生きていきます」と。
このように、患者は尿路感染症に関する不安を抱えているため、訪問看護師はこの問題にアプローチする必要性を感じている。だが、他のスタッフと議論する前に、患者に対して、この問題の詳細をスタッフらに話してもよいかどうかの許可を求めるべきである。
6.出所
Leslie Neal-Boylan, Case Studies in Nursing. Clinical Case Studies in Home Health Care, Wiley-Blackwell, 2011.