介護を担当する家族と訪問看護師および介護マネージャーとの意思疎通の重要性
1.職業
訪問看護師
2.業務分類
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
Yさんは、彼の家族の介護を一人で担ってきたが、それには理由があった。自分が家族の要求に応えてあげること、また、すべての決定は、自分が下さなければならない、という強い責任感を抱いていたことから、介護を一人で担ってきた。このため、家族の健康情報は、家族全員と共有されることはなく、家族の健康状態を知っているのはYさんだけであった。
彼がこのように家族を介護する際、訪問看護チームは、こうした対処の仕方を尊重してよい。健康評価は、家族の介護者が行うこともできるし、また、望むならば、医療者や介護者が親族に健康状態を伝えることも可能である。
患者が、男性の看護師をお願いしたい、と要求してくるケースもある。その場合でも、訪問看護師は、できる限り患者の要望を尊重してあげるべきだ。ただし、看護師は、それが不可能な場合もある、ということをあらかじめYさんに話しておく必要がある。このように話をしておけば、Yさんは、看護・介護マネージャーが彼の家族の状況を配慮して、彼の要求に対応するために最善の努力をしていると理解してくれるであろう。
6.出所
Leslie Neal-Boylan, Case Studies in Nursing. Clinical Case Studies in Home Health Care, Wiley-Blackwell, 2011. p.108