情報共有について家族の同意が得られないままサービス担当者会議が行われている
1.職業
訪問看護師
2.業務分類
3.施設内看護の年数
4.訪問看護の年数
5.経験内容
Lさん、80歳男性。ALSで身の回りの生活支援が必要なため、ケアに必要な総時間数を考えると1カ所では対応できず、3カ所の訪問看護ステーションを利用している。
Lさんの妻は、夫の病状を知り合いや近所の人にも隠しており、訪問看護事業者や他職種間の連携も手巨否している。よりよい訪問看護を提供していくために、サービス担当者会議を開催する必要性を説明したが、それも断られている。
また、「訪問看護契約書」には、プライバシーの保護が謳われており、ケアの関係者はLさんのことを決してほかの人に話すことはないとあらためて説明したが、了解を得られなかつた。
そのため、やむなく本人・家族不在のまま、訪問看護師間でのみ看護計画や情報共有のための会議を行つている。また、会議を行つたことや話し合いの内容についても、Lさんや妻には伏せるように取り決めをしている。
今後も、Lさんと家族が安全で安心な在宅生活を継続できるようにするために、3カ所の訪問看護ステーションが連携して質の高いケアを提供しなければならない。
そのためには、サービス担当者会議が重要かつ不可欠であるが、どのように本人・家族から同意を取りつけたらよいのか、打開策が見出せず、訪問看護師は悩んでいる。
なぜ妻が職種間の連携やサービス担当者会議を拒否しているのか、その理由を明らかにしようとしてしヽない。
妻の同意がない上に、本人と妻が参カロしないまま、サービス担当者会議を行つている。
サービス担当者会議の内容が本人や妻にまつたく知らされていない。
6.出所
杉谷藤子、川合政恵監修、医療人権を考える会著『事例で考える 訪問看護の倫理』(日本看護協会出版会)、2015年、p.111.
7.キーワード
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