ホームコートがあることの幸せ - スワコラム

Post date: 2018/03/06 10:31:58

シンガポールの日本人バスケチーム(日バス)のホームコートはチャンギ空港に近いところに位置する日本人小学校です。空港に近いということは逆に、多くのメンバーが居住しているシンガポール中心街からはかなり遠い、ということを意味します。

毎週日曜日(午前中)の練習にはお互い近隣に住んでいるメンバーでタクシーや自家用車を乗り合ったり、また地下鉄やバスを乗り継いではるばるやってくる人もいます。いずれにせよ、香港に比べるとアクセスの点でシンガポールの方が不便なのは確かです。

しかしながら、この日本人小学校では常時バスケコートを2面確保することができるので、毎回練習に参加する約30名のメンバーにとっては思う存分バスケを楽しめる、という点では非常にありがたい環境であることは間違いありません(但し、冷房が完備されていないので体育館内の暑さと言ったら尋常ではありません。着替えのシャツが3~4枚は必要です)。

学校なので夏休みや各種行事で使えなくなるときもありますが、ごくごく一時的なもので、その際は公共の体育館を探しにいきます(これは香港も同じと思いますが)。

さて、香港の日本人中学校が統廃合されるということで、長らくホームコートであったブレーマーヒルの体育館も使えなくなってしまうとのこと。体育館も含め建物そのものを廃棄するということではないようなので、せめて週一回の数時間、体育館だけでも使わせてもらえないものか、と勝手なことを思ってしまいますが、治安や照明など周辺設備の問題があって難しいようです。 ここでの最後の練習となった2月24日、私もJ'sの練習に参加させていただきました。私が最初に練習に参加するために正門をくぐったのは1995年のことでした。いまも香港に残っている当時のメンバーたちも私と平等に歳を取りつつも(笑)、お互い未だに元気にバスケができることを喜ばしく思います。 最後の練習の日、初めて練習に参加した時と同じ要領でコーズウェイベイからミニバスに乗って体育館に向かいました。20年前からバス停界隈の景色は全く変わりません。いつの時間帯でもコーズウェイベイは黒山のような人だかりで、まるで香港の縮図のような場所に思えます。 変わったことと言えば、バスの運賃が値上げされたことくらいでしょうか。

始発地点ということもあって、練習に行く時間帯のバス停はいつも長蛇の列ですが、バスの巡回が早いのでたとえ列の最後尾にいたとしても気がついたら自分の順番になっている、というのも昔と変わりありません。

ミニバスに乗ってしばらく行くとシンガポールでは到底経験しえないような急勾配に差し掛かり、そして、出発時は満席だった座席も日本人中学校のある終点に着くころには私以外の乗客はほとんど残っていない、というもの20年前と変わりません。

最後の練習ではとてもいい汗をかきました。練習後には記念に学校周辺の写真を撮り、そして、その後に気の置けない仲間と食べた地元の中華料理も香港ならではの美味でした。(これはシンガポールで毎週練習後に食べるバクテイの美味しさに匹敵すると思います。) それにしても流浪の民のように週末ごとに体育館を彷徨うJ'sメンバーに同情を禁じえません。もし、私に果てしない財力と豊富な人脈があればJ'sのために体育館のひとつやふたつ建てたいところだったのですが(笑)。

J'sの皆さんが練習場所の確保で苦労されていることを思うと、日バスのプレイヤーは恵まれているのでしょう。アクセスに多少の不便さはあっても、そして空調設備がなくともホームコートがあること自体幸せなのだと思います。

来るべきアジアカップではこの「ハンディ」を乗り越えて男子もPGもどうか良い結果を出してほしい、と願うばかりです。

諏訪