福山雅治と結婚したい!(スワコラム)

Post date: 2015/09/29 3:32:31

最初の香港赴任の際、せっかく香港に来たのだから広東語を勉強したいと考えていた家内は、たまたま私の同僚スタッフの友人Yさん(香港人、女性)も日本語の先生を探していて双方のニーズが合致したので、語学のexchangeを始めた。すなわち、わが家を教室にして週に一回、二時間のレッスン。最初の一時間は家内が日本語を教え、後半一時間は逆に広東語を教わるというもの。お互い初級者。もちろん、レッスン料は無料なのでとても効率的。

Yさんの日本語を学びたい、という動機が実に興味深い。というかかなり面白い。彼女は福山雅治(以下、福山君)の大ファンであり、いつの日か彼に真剣にプロポーズしたいという願望を持っている。そのためにはやはり日本語が流暢に操れるのは必須で、きたるべき日(?)のために備えておきたい、というのだ。ちなみにYさんは金融業界でバリバリ働くキャリアウーマンである。Yさんによると福山君の魅力は全ての一挙手一投足にあるらしい。

Yさんは福山君のCDやDVDはすべて揃えているし、日本で大規模なコンサートがあるときには休暇を取って駆けつけるし、そして、家内とのレッスンが始まってからYさんは念願の福山君のファンクラブに入会したのだ(正確には以下の理由で「擬似会員」だったのだが)。ところが規約では、会報誌は海外に送ってもらえないため(つまり日本以外の会員は認めていない)、そこでYさんのために家内の日本の実家を送付先として登録し(要は義母がなりすましの会員となり)、一旦そこに会報誌を送付してもらった後、義母より香港に転送してもらう手はずを整えたのだ。(おかげで義母も福山君のファンになってしまった)

毎週のレッスンでは、この会報誌を教材に読み書きを習得し(会報誌に記載されているような日本語の表現が果たして初級者に適しているのだろうか?)、会話編ではYさんが福山君と二人きりになったシチュエーションを想定して会話するという本番さながらの臨場感溢れる(?)レッスンが繰り広げられていたようだ。(いったい、どんな会話を想定していたのだろうか?)

以上のエピソードはもう二十年以上も前のことになるけれども、当時福山君はデビューして間もなく、国内で人気がじわじわと上がってきた時期であり、その一方で国外では日本ほど知名度は高くなかったと思う。

いまでは台湾親善観光大使に任命され、昨年の初のアジアツアーも大盛況で(私は行っていないが)、まさに飛ぶ鳥落とす勢いの福山君だけれども、その意味で当時のYさんには先見の明があったのかもしれない。

結局、それから三年ほどレッスンは続き、心残りはYさんの日本語がどれだけ上達したのか私自身がレベルチェックできないまま帰国となってしまったことだ。(実は一緒に帰国した家内の広東語の実力も私はいまだに分からないままだ)

その後、ふたたび香港の地を踏んだものの、Yさんも、そして彼女を紹介してくれた元同僚も、その消息は分からずじまいで現在に至る。

最近の報道やネットニュースでの情報を総合的に判断すると福山君はいまだ独身のようだから、もしかしたらYさんは積年の想いを胸にいまもどこかで日本語の研鑽を積んでいるのかもしれない、、、

なんでも、今年は彼のデビュー二十五周年だそうで、先日、この話題を取り上げていたテレビをシンガポールで観ていたら、久しぶりにYさんの思い出がよみがえってきました。

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とここまで書いて管理人の三浦さんに本稿を託したところ、その後、福山君の電撃婚の報に接しました。残念ながらお相手はYさんではなかったようです。

諏訪