常夏の国より - スワコラム

Post date: 2015/04/02 10:37:25

シンガポールに赴任して約5ヶ月が過ぎました。

香港とシンガポールはビジネス環境、経済の自由度、各種インフラ、ハブ機能としての役割、教育水準等なにかと比較されるのですが、それぞれで特色があって同じアジアでも北と南では仕事面でも、私生活の点でも随分と勝手が違うと感じています。

先日、なにかで目にしたのですが、シンガポールは駐在員にとって世界中で最も住みやすい国だそうです。でもまだそこまでの実感は湧いていないのが正直なところです。

ここは東京23区ほどの面積に約5百万程度の人口を擁し、人種の構成も多岐に亘っていて、そのため雰囲気は香港とは随分異なります。街のいたるところに「ホーカー」と呼ばれるアジアン料理を中心に店を並べるフードコートがあって、これは多様な人種を反映してたとえ肌の色や宗教が異なっても同じテーブルで交流できるよう、要は人種間の軋轢や壁をなくすための仕掛けなのだそうです。

また、物価水準は肌感覚の域を出ませんが、全般的に香港よりも高いと実感します。(但し、不動産は香港のほうが高く、公共料金や交通費は同じくらいでしょうか。)特にアルコール類の高さには参りました。スーパーでの食材も香港より高く感じます。経済的な観点ではローカルフード中心の外食のほうが自炊をするよりも安上がりで済みそうです。

一方でジョギングする者にとってシンガポールのほうが圧倒的に恵まれた環境です。ほぼフラットの地形で、歩道も充分にスペースがありきちんと舗装されているのでとても走りやすいです。特にシンガポールリバー沿いや空港までの海岸沿いは景色もいいですし、いくら走っても飽きません。ひとつ難点を挙げるとすると常に暑いということ。ですので、走るには早朝か日没後が心地よいです。

肝心のバスケットですが、ここでは香港ほど屋外コートは多くない印象です。あまりに暑くて誰も屋外でプレイする気にならないのだと思います。でも現地スタッフによるとバスケットはサッカーの次に人気があるとのことなので、設備の整った屋内体育館でアクティブにプレーしているのだと想像します。

ところで、ライバル関係の両国、バスケットではどちらに軍配上がるのでしょうか?FIBAが出している世界ランキング(2013年度版)によると、女子は香港が58位、シンガポールは61位、男子は香港が69位。シンガポールは見当たらないので圏外なのでしょう。(ちなみに、日本は女子が17位、男子は35位)アジア地域に限ってもお世辞にも強豪とは言えない両国ですが、バスケットでもお互いがライバルとして切磋琢磨していけばまだまだ強くなる余地は残されているのかもしれません。

ところで、毎年春は異動の季節。この3月から4月にかけてJ'sも多くの人の動きがありました。たとえメンバーが大きく入れ替わってもJ'sに連綿と続く良きDNA(バスケットの経験値、年齢、性別を問わず新しいメンバーを幅広く受け入れるだけのオープンでアットホームな雰囲気)を失うことなく次の世代にも引継いでいってほしいと願っています。そして、「J'sで同じ釜の飯を食った仲間」として、日本国内であれ、世界中どこにいようともメンバー同志強い絆で結ばれている、いつまでも良きチームメイトでありたいと思っています。

さて、いろいろと考えた末、わたしも当地でバスケットを再開することにしました。この歳になってもう少しバスケットが上達しないものかというささやかな願望と淡い期待を持ちながら、そして何よりも新しいバスケット仲間との出会いを楽しみにスタートしようと思います。

新たなスタートとともにスワコラムも今回で筆を置きたいと思います。

短い期間でしたが不定期掲載の拙いコラムにお付き合いいただいて感謝しています。ありがとうございました。

またいつかどこかで会いましょう。

諏訪